先週末の話になるが、今年の桜を最後に楽しむべく、自転車で各地を回ってきた。以下の例は航空公園のC-46A輸送機である。STFモードで撮ったので、やっぱ質感が良い。ボケ味が良くなるだけじゃなくって、階調も良くなって、「しっとり」あるいは「こってり」と形容すべき絵になる。
天気が良かったので、午前中に近所の世田谷公園に行った。蔓延防止措置も終わって花見の人々が多くいたのは嬉しいことだが、既に桜のピークは過ぎていた。この例はSTFじゃないので、なんかざわついたというか、ギザギザした描写になっている気がしないか。気のせいかな。
東京近郊においては、内陸部のちょっと気温が低い地域に行くだけで、桜の開花状況が1週間くらい遅くなるので、時間を巻き戻したかのように花を楽しめる。よって、目黒から北西方向を目指すことにして、まずは目黒川を遡上した。川沿いや緑道沿いも気温が低い傾向にあるので、開花が遅い桜が残っていることも多い。この例はSTFじゃないが、Leica Summilux 15mm F1.7は近接で撮ると後ボケが綺麗になるので、しっとり感がちゃんとある。
途中にあった熊野神社。これはSTFの例だ。ボケはほとんどないけれど、やっぱり何だか質感が良く、立体感も増している気がしてしまう。プラセボ効果かなぁ。
神田川沿いの道に乗り換えて、どんどん西に進む。これもSTF。しっとり微ボケ背景。
だんだん花が残っている木が増えてきた。残念ながら桜はSTFモードで撮れないのだ。そよ風ですらブレを生むから。
神田川の水源である井の頭公園に到着。人がいっぱい来ていて、賑やか。平和って素晴らしい。
さらに北西に進み、東京都民の水瓶たる多摩湖に到着。ここは小学校の遠足とかでも来ていたので、妙に懐かしい。予想通り、ここまで来ると満開の木ばっかりだった。
所沢市内を東西に流れる東川。この流路全体が桜並木になっているので、花を堪能したいならおすすめだ。全然有名ではないが、目黒川なんぞよりはよっぽど楽しめる。
そして、ゴールである航空公園。こちらも桜満開である。中学の持久走大会でまさにここを走ったこととか、高校生の時にまさにこの木の下で花見と称して鬼殺しを飲んだりしたこととかを思い出す。
日本初の航空死亡事故で亡くなった徳田・木村両中尉の慰霊碑。奇跡的に無風だったのでSTFで撮れた。やっぱ、しっとりしている。
時計塔。この下で写生大会の絵を描いて賞をもらったことがある。これもSTFの例だ。
冒頭の例と同じC-46A輸送機を別々のレンズで。こちらもSTF。航空公園あるあるの構図と言えばこれだ。
所沢駅前のWaltz。こちらは非STF。この例も、この記事2枚目の世田谷公園の例もそうだけど、Leica Summilux 15mm F1.7は改めてよく写るレンズだと思う。軸上色収差のカラーフリンジが出やすいのが欠点ではあるが、それを補って余りある長所がある。近接撮影をすればボケが綺麗だし、遠景を撮ればかっちり解像するし。
帰りは輪行して電車で帰った。折り畳み自転車ブロンプトン様様だ。
まとめ。STFモードを使うとしっとりした絵が撮れる…気がする。でも、屋外の草木を相手にSTFモードを使うのは現実的ではない。とはいえ、別に普通に撮ってもいい絵が撮れるというか、被写体選びと構図の方が大事だなと思う。