豪鬼メモ

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おたふく手袋の全身装備でサイクリング

おたふく手袋の下着と手袋を装備すると、氷点下が普通というクソ寒い長野の冬でもサイクリングできるという話。2181円で揃う確かな防御力。


外仕事の様々なプロに愛用されている「おたふく手袋」の製品群だが、自転車乗りや単車乗りの間でもコスパの良い衣類として好まれている。今回は、手袋と上下の肌着を買ってみた。359+982+840で、全部合わせて2181円しかかかっていない。

まず、手袋の話をしよう。今まで自転車用手袋は真冬もおたふく手袋のイボ付き軍手で頑張ってきたが、氷点下が基本の長野ではさすがに厳しくなってきた。峠の下りで寒さで手が痺れてくると、ブレーキがまともにできなくてマジで危ない。よって、Morethanの冬用手袋GVP-002を中古で買った。手袋って基本的に失くして終わるものなので、高いものは買わない主義だ。

こいつは装着したままでもスマホのタッチ操作もできて、親指と人差し指の先だけ露出させる機構もあって便利だ。しかし、正直言ってあんまり暖かくない。中が濡れているんじゃないかと疑ってしまうくらい、生地の熱伝導が高いのだ。防風性があるので風が強い時には軍手よりマシだが、断熱性が低いので、風がない状況だとむしろ軍手の方が暖かいくらいだ。なので、薄手の軍手と二枚重ねにして運用していた。

しかし、軍手と二枚重ねでも氷点下には耐えられない。そこで、おたふく手袋のインナーグローブJW-145を買った。名前の通り、他の手袋のインナーとして使えるようになっていて、薄手で防風性はない代わりに蓄熱素材でできていて暖かい。単体で使っても軍手やGVP-002より暖かい。指先にスマホ操作用の生地が張り付いているので、装着したままスマホが使える。サイクリング中のナビの操作でいちいち手袋を外さなくて済むし、外でKindle読む時に手袋を付けたままにできるのも嬉しい。東京の冬だったらこいつだけでいけるだろう。359円でこれだけ性能が良ければ、高い手袋買う必要なんてない。

GVP-002のインナーとして使えば、さらに暖かい。これなら氷点下でもなんとかなる。さすがインナー用だけあって、二枚重ねにしても軍手と違って指が窮屈にならない。おそらくGVP-002よりももっとマシな手袋と併用した方がもっと暖かいだろう。アウターの方はいずれ買い替えよう。

次に、インナーシャツの話をしよう。このJW-174は、首と袖と腹回りにぴったりまとわりつくので、肌との間に空気が入り込んで冷えることがない。それでいて、生地の伸縮性が良いので動きを阻害せず、着ていることを忘れるくらいだ。ハイネックのJW-170という製品もあってそちらの方が冷えにくいのだろうが、私は首の周りに何かあると気になってしまうので、普通のにした。

身長164cm体重65kmの私の体型だと、Mサイズがちょうど良い。裾の長さは少し余るが、胸や腕は若干きつい感じだ。とはいえ伸縮素材なので問題なく着られる。体の形がくっきり出てしまうので、これ一枚で活動するのはちょいと恥ずかしい感じだ。

「遠赤外線加工、微細裏起毛による保温効果」という謳い文句はその通りで、実際に着てみると、そこそこ暖かい。肌にぴったり密着するので着てしばらくはひんやりするのだが、しばらくするとじんわり暖かくなってくる。ポカポカってほど暖かくないのが重要で、単体で暑すぎて汗をかいてしまうようなことはない。袖口がぴったりしていて手首周りに風が入ってこないのも重要だ。この点で長袖のTシャツとは段違いだ。これの上に適当なシャツを着れば室内は十分に暖かい。その上にジャンパーなりコートを羽織れば東京の冬は乗り切れるだろう。長野の冬ならパーカやセーターを着てからジャンパーやコートを着る感じか。サイクリングの場合、このインナーの上に冬用サイクルジャージを着て、場合によってはウインドブレーカーを羽織れば良いだろう。

最後に、インナータイツの話だ。このJW-162も、腰周りと裾にぴったりと肌との間に空気が入り込んで冷えることがない。それでいて、生地の伸縮性が良いので動きを阻害しない。ペダリングの邪魔になることもない。こいつを適当なズボンの下に履けば、結構な寒さも凌げる。

生地はインナーシャツと同じなので、保温性も伸縮性も同じだ。東京の冬であればインナータイツは不要だが、長野の冬ではこれがあると助かる。めちゃくちゃ暖かいわけではないので、室内でこれを履いていても暑すぎない。タイツは脱ぐのが面倒なので、暑すぎないというのは重要だ。タイツだとチンチンが押し付けられて窮屈になると心配したが、それは杞憂だった。寒さで縮んでしまうよりはマシだろう。サイクリングの際には、クッション付きのインナーパンツをタイツの下に履くか、クッション付きのレーサーパンツをタイツの上に履くかするだろう。その際には、インナーパンツかレーサーパンツがチンチンを押し付けるのが問題になる。それらに比べればタイツの圧力はほとんど無いようなものだ。

私はブロンプトンに乗る場合は基本的に普段着を着る。ただし、尻痛対策にクッション付きインナーパンツは使う。よって、下半身はインナーパンツ、インナータイツ、ジャージまたはチノパンの3枚に構成になることが多い。上半身は、インナーシャツ、ジャージまたはネルシャツ、ダウンジャケットまたはPコートの3枚構成になることが多い。手袋やマフラーも適宜使う。東京ではインナーパンツは履かず、インナーシャツの代わりにTシャツを着て、手袋は軍手だった。それだと、上着を厚手のものにしても、長野の冬には耐えられない。今回おたふくのインナーと手袋を導入したことで、一段上の温かさを手に入れた。これで長野の冬でも乗り切れる。

繰り返しになるが、インナー手袋もインナーシャツもインナーパンツも、その上に何も着けないで単体で着ていても、大して暖かいわけじゃない。ぬるいって感じだ。冷気が直接肌に触れるのを防ぐが、断熱性が取り分け高いわけじゃない。この感覚が何かに似ているなと思った。サウナの後に水風呂に入って1分くらいじっとしていると、自分の肌の周りにぬるいバリア的な層が発生して、刺すような冷感から守られる感じになる。あのバリア感に似ている。それを通常の衣服の下に纏っておくと、ポカポカと暖かいわけじゃないのに、寒いとも感じない。この絶妙なバランスは、分厚い上着を着ることでは得られない。

インナーの有無に関わらず、保温効果の高い服装で自転車に乗ると、暑すぎて汗をかいてしまうことも多い。その際にはインナーが吸汗速乾生地だと役立つ。少なくともTシャツよりは乾きやすい。暑くて多少汗をかいても、上着のチャックを全開にするか、上着を脱いだ状態で、しばらく走れば、そのうちインナーも乾いてくる。基本的にはインナーが汗を吸ってその上に着ている衣服にはあまり染みないので、運動の後にインナーだけを脱げば汗臭くならないのも利点だ。快活クラブとかに泊まって複数日のロングライドをする場合、インナーと靴下だけをシャワールームで手洗いすると楽だ。インナーはすぐ乾くし、乾かしている間はインナーなしで衣服を着ておけば良い。靴下は口の部分にドライヤーぶっこんで2分くらい温風を吹き込むとすぐ乾く。

全身装備と言うからには靴下もおたふく手袋のものにすべきなんだろうけど、割愛した。というのも、足が温まると無駄に汗をかいてしまうからだ。氷点下の環境に長くいると手先だけではなく足先も冷えてくるが、運動している限りは足先が耐えられなくなることは稀だ。逆に、室内に入った時に足先が暖かすぎて発汗することは多い。手袋と違って靴下は簡単に脱げないので、よほどのことがない限り厚手の靴下は履かない主義だ。あと、洗濯の後に左右を揃えるのが面倒なので私はユニクロで同じ靴下を10足以上買って運用していて、そこにノイズを加えたくないというのもある。

まとめ。おたふく手袋のインナーグローブとインナーシャツとインナータイツを装備すると、温かさが段違いになる。冬の長野でサイクリングするのに耐えられる。上着やズボンを上等なものにして保温性を高めようとするとかなり金がかかるが、インナーを工夫するだけで同等以上の効果が出る。しかも2181円しか使っていない。安くて良いって素晴らしい。