豪鬼メモ

一瞬千撃

ブロンプトンのリムテープをポリエステル製にした

ブロンプトンのチューブが何度も内部破裂するのを経験していて、それはリムテープが原因であることはわかっていたので、頑丈なポリエステル製のものに換装した。コスパもいいし、丈夫だし、軽量化できるので、おすすめだ。


私のブロンプトンはタイヤにマラソンレーサーを使っていて、それは転がり抵抗が低いながらも耐パンク性能が良いので、気に入っている。しかし、それでもちょくちょくパンクを経験していて、そしてそれはタイヤの外側から異物がチューブに刺さるのが原因ではなく、リムテープが劣化したことでチューブが変形して破裂するのが原因であることが多かった。パンクの場合は空気が少しずつ抜けるのが普通だが、内部破裂の場合は突然破裂音がして空気圧が一気にゼロ(実際には1bar付近)になるので、走行時に発生するとかなりビビる。

最初に経験したのは、純正のリムテープが経年劣化で左右に偏ったことによる内部破裂である。リムテープが偏ってスポーク穴を塞いでいない状態の部分があると、そこから破裂する。

リムテープは消耗品であり、経年劣化する前に1年くらいで交換するのが良いとされる。それで言うと、上述の純正のリムテープは8年も使っていたので、劣化で駄目になったのは致し方ないとも言える。なので買い替えを検討したのだが、純正は1本2300円とやたら高いので、2本550円であるシュワルベの互換品を導入した。幅18mmならば、18インチ用のものがブロンプトンに使える。ブロンプトンの16インチ(ETRTO 349)はダホン等の16インチ(ETRTO 305)よりもでかいからだ。

しかし、このシュワルベの製品は、ハイプレッシャーリムテープとか言いつつも、半年ほどで劣化して、また内部破裂した。左右の偏りも起きていたが、スポーク穴を塞げなくなるまでには至っていなかった。それでも凹みが大きくなりすぎてチューブの破裂に至ったらしい。

私はタイヤの空気圧を上限(110psi)に設定していたのだが、そうするとリムテープへの負荷も大きくなって劣化を早めてしまうらしい。なので、これに懲りて空気圧はちょっと低めの、前輪100psi、後輪105psiくらいにしたのだが、それでもおそらく一般論としては高めだろう。空気圧が高い方がタイヤの接地面積が減るのでパンクしずらいし、トレッドの摩耗も少なくなる。また、空気圧が高い方がスラローム走行などで素早い旋回をしてもタイヤが潰れすぎないので乗りやすい。そして、円滑な路面では、転がり抵抗も低くなる。反面で、空気圧が高いと衝撃吸収性は劣って尻が痛くなりやすいし、円滑でない路面ではむしろ転がり抵抗が高くなる。それでも、私はちょっと高めの空気圧が好きで、今より低くするつもりはない。そして、10%とか低くしたとしてもリムテープの劣化が劇的に緩和されるとも思えない。

もっと丈夫なリムテープはないものかと探してみたら、あった。こちらもシュワルベの製品だが、素材がポリ塩化ビニルではなくポリエステルで、織テープで伸縮性を実現した堅牢な作りになっている。値段は3960円だが、25mあるので、ブロンプトンなら18回くらい交換に使えて、圧倒的にお得だ。

実際の製品を触ってみると、確かに硬い。PVCがTシャツなら、ポリエステル織りテープはジーパンのようなものだ。これなら耐久性が期待できる。また、裏面に弱目の接着剤がついているので、左右にずれる可能性も低い。これは良さげだ。

取り付ける際には、まず長さを決めて切るところから始めるべきだ。裏面のテープを剥がさずにタイヤを一周させて、適当な長さで切る。また、バルブ用の穴をハサミで適当に開けておく。

あとは、引っ張って伸ばしながら巻き付けていく。テープの中心が真ん中の溝に合うように押し込んでいくのがコツだ。そこそこの力で引っ張りながらやれば左右の調整はしやすい。粘着力があるのが重要で、それによって貼り付けた部分がもうずれなくなる。バンド方式だとタイヤを嵌め込む作業でおそらくずれてしまう気がする。

貼る作業に多少手間がかかる以外は、基本的にポリエステルのリムテープの方が優れていると私は思う。重さも、PVCは1本15.9gで、ポリエステルは1本5.5gしかない。つまりリムテープを変えるだけで前後で21gも軽量化できる。これはタイヤを21g軽量化したのと同等の価値がある。タイヤを加速する際に必要な力は回転の慣性力と移動の慣性力の両方に転換されるので、タイヤを加速する際に必要な入力は乗り手やフレームを加速する際に必要な入力に対して質量あたり2倍となる。よって、タイヤの21gの軽量化は、平地での加速性能だけ考えると、フレームを42g軽量化したのと同じ価値がある。これは絶大というほどではないが、無視できない値だ。となると、不思議に思うのは、なぜ純正でそれを使わないかだ。全ての点において優れるカスタマイズなんて普通はない。しかし、私が気づく範囲では特に欠点がないので、誰か知っていたら教えて欲しい。

まとめ。ポリエステルのリムテープは、コスパもいいし、丈夫だし、軽量化できるしで、いいことずくめだ。もっと早く使っておけばよかった。耐久性の実際のところ関してはしばらく使ってみないとわからないが、それに関しては追ってレポートしたい。