もう何度目になるか分からないが、三浦半島一周の旅をしてきた。やはり良い。東京から日帰りで行けるサイクリングコースとしては最強かもしれない。
先日の長野方面の旅で山は満喫したので、今度は海が見たくなった。東京港の周辺を見ても風情がないので、少し足を伸ばして三浦半島を選んだ。世田谷-川崎-横浜-横須賀-三浦-葉山-逗子-鎌倉-江ノ島-藤沢の、142kmの行程になった。
家を出てとりあえず南に進んだが、その時点ではどこに行くか決めていなかった。三浦を回ってもいいし、湘南を通って小田原まで行くのもいい。横浜で1号か16号か選ぶまで悩みつつ走ったが、結局16号を選んで、横須賀方向に向かった。その道中の写真はありふれているので割愛。横須賀を過ぎたら海辺釣り公園で一服。ここって朝まずめと夕まずめ以外はあんまり釣れないらしいのだが、確かに日中は釣れている人を見たことがない。
海辺釣り公園から先にある南国的な道は、いつも爽快な気分にさせてくれる。
今まで何度か行ったことある行程なので、今回はスタンプラリー的にブロンプトンを入れて写真を撮っていくことにした。観音崎、剱崎、城ヶ島は必須として、あとは適当に私が好きな場所を選んでいこう。
まずは観音崎。ちゃんと奥の灯台まで行くのは初めてだ。ここの灯台は300円出せば上まで登れるのだが、だいたい景色が予想できるので割愛して、周囲の散歩をした。結構広い公園なので、回るのに時間がかかった。海から出てきた観音像を祀ったのが観音崎の由来らしい。
三浦半島の先端の辺である浦賀と久里浜を通って、三崎方面に向かう。浦賀は良い感じの港があるのだが、全体が浦賀造船所になっているので、まともな景色が見られないのがちょい残念だ。
それをすぎると、長浜の海水浴場が出てくる。ここは湘南と違って人も多すぎないし、水質も景色も良いし、神奈川の浜では最も好ましいと私は思っている。周囲の街もひなびた感じがありつつも、多少は店があって便利だ。こういうところで育ちたかった。
長浜を過ぎると、地元民とツアラーしか行かないような完全にひなびた地域になってくる。坂もばんばん出てきて立体的な感じがまた良い。小さい漁村っぽい集落がいくつかあって、時が止まったような風景が懐かしい感じがして良い。
三浦半島と言えば、ヨコハマ買い出し紀行の舞台だが、主人公のアルファさんの店が実際どこなのかはファンの間でもよくわかってないらしい。とりあえず先端の地域の景色全般が作品世界のひなびた感じを醸し出してはいるのだが、私にもよく分からない。おそらくいくつかの場所の印象を混合して設定しているのだと思う。
で、剱崎に着いた。ここは他の二つの岬に比べて行きづらいので、訪れる人も少ない。私も三浦半島一周という行程を組むとここを省略しがちだが、この周辺こそが最も三浦っぽいと思ってもいる。全体的にひなびていて、農地や灯台などの人工物があるのに人の気配が薄くて、磯の香りとキャベツの香りが混じった風が吹いてきて、まさに夕凪の時代な感じがする。
キャベツ畑ゾーンを通って、さらに三崎方向に向かう。途中で見える大風車は文明の象徴と思えるが、その麓が産業廃棄物処理場なのもまた終末感を醸し出してくれる。
で、城ヶ島。ここも数えきれないくらい来ているが、ただ岩と海があるだけなのに、なぜか寄ってしまう。釣り場としてはかなり良いらしいのだが、何せ遠いのが難点だ。
日が暮れてきたので、ここからは巻き気味で行動した。134号を爆速で北上して、私が最も夕日が綺麗だと思っている立石公園。
何度も釣りに来ているが一度も釣れたことのない真名瀬港。ちなみにこの近辺は海上鳥居を前景にダイヤモンド富士が見られるので、夕暮れの時刻になるとカメラマンが大勢訪れる。今回も多数いて、私も挑戦しようと思ったが、レンズが25mmしかなかったので諦めた。
で、逗子海岸。ここが三浦半島の付け根なので、ゴールとも言えそうだ。
日没までに鎌倉に行けるかなと思って、さらに爆走を続けたところ、由比ヶ浜に何とか間に合った。
そこで足を売り切ったので、あとはまったり流して江ノ島方面に向かい、いつもの七里ヶ浜の駐車場で休憩。その後、藤沢駅から小田急線で輪行して帰宅した。
総評としては、やはり三浦は良いところだ。東京からも日帰りで行けて、横須賀などの発展した場所も、先端部のひなびた場所も、葉山や森戸などの洒落た場所も一気に楽しめる。とはいえ、それら全てをチャリで一日で回るとなると、それなりの体力が必要だ。長野の山々を越えたばかりの私としてはこの程度は問題ないが、連日サイクリングしているとさすがにケツの痛みがひどくなってきた。しばらくは別の運動に切り替えてケツを休めねば。