豪鬼メモ

一瞬千撃

埼玉南部徘徊とLSDトレーニング

ブロンプトンで埼玉南部を徘徊してきた。自転車に乗るだけでツーリングもLSDレーニングもアクティブレストもできるのが素晴らしい。


筋肉に溜まった疲労物質を流すためには適度な運動で血流を増大させるのが効果的とされていて、それを意識的に行うのがアクティブレスト(active rest)である。土曜に甲府まで行ってきたので、その疲労を回復させるべく、日曜は埼玉南部を適当に流してきた。といっても合計100kmくらい走っていたので、休息にはあんまりなっていない。

鼻呼吸だけでも十分続けられるような軽い負荷で体を動かすのがアクティブレストの要件であり、30分とかで切り上げるのが普通だ。そこから考えると、私の走り方はアクティブレストとは言えないだろう。息が上がらないまでも、口呼吸でハァハァ音が出る程度には負荷をかけているし、半日かけて100kmも走るのはロングライドの領域にかかってしまっている。どちらかと言えばLSD(Long Slog Distance)トレーニングに近いかもしれない。家を出た時はアクティブレストのつもりで、池袋あたりまで流してから読書でもしようと思っていたのだが、気がついたら荒川まで北上してしまっていて、そしたらせっかくなので荒川サイクリングロードをちょっと走ってもいいかなという気分になってしまったのだ。富士山がよく見える季節になってきて、風がない昼間に走ると気持ちが良い。

LSDレーニングは有酸素運動の典型であり、心肺機能や代謝能力を高めてくれるので、当然ながら有酸素運動の能力が向上する効果がある。つまり、脂肪が減って適度に筋肉もついて心臓も強化され、動ける体になる。そのためには上述のように口呼吸で息が切れない程度で、最大心拍数の70%くらいになる負荷を1時間以上続けることが必要らしいのだが、ミニベロで街に繰り出すと自然にそうなる。加速性能が良いが巡航速度は遅めなので、走行風を感じつつも風景を楽しめる速度域に入っている時間が長くなる。気持ちが良い速度を維持すると、自然にLSDレーニングに相当する負荷になる。ロードバイクだと頑張って走らないといけない気になってしまって負荷をかけすぎてしまいがちだが、ミニベロだとちょうど良い負荷に落ち着くことが多い。私はトウクリップを使っているが、そうすると脚の様々な筋肉を動員できるようになって、特定の筋肉がボトルネックにならずに心肺機能の負荷を上げられるのが利点だ。ママチャリなどのいわゆるシティサイクルでも高い負荷で走る気にはならないが、それらは遅すぎて長時間走る気にならない。そこそこ高性能なミニベロというのは健康増進や気晴らしを目的とする上では最高の道具だと思う。ただ、有酸素運動をすると体全体の筋肉量は落ちる傾向にあるらしいので、筋トレは別途しないといけない。

荒川で満足して帰ろうと思ったのだが、途中で川越街道を横切った時に、川越に行けるなと思ってしまったのだ。川越街道は国道254号であり、佐久や松本まで続いているロマン溢れる道だ。昔の街道の名残なのか、街路樹が中央に配置されている区間があったりして、走っていて気持ちが良い道でもある。17号と違って交通量も多くないし。

川越に到着。高校生の時にさんざん来ているので特に観光とかする気もないのだが、サンロードやら時の鐘やらを一応巡ってはみる。

実は川越はどうでもよくて、そこから狭山や三芳や所沢に向かう途中にある広大な農地の間の田舎道を走りたかった。いわゆる三富地域である。川越藩主の柳沢吉保が三富新田の開拓に着手したという話は県民なら誰でも知っているところだが、新田といいつつ水田が全くない畑地なのがいまだに解せない。それはそうと、農地を走っていると土の匂いとか野焼きの匂いとかが感じられて妙に落ち着く。海や山もいいけど、やっぱ「里」こそが自分の原風景だと思っている。まあ私が知っている里は古き良き里ではなくて近代化された農業の姿だけなんだけども。

いつものように所沢の航空公園で休憩。用はなくとも故郷には立ち寄ってしまうものなのだ。

昼過ぎに家を出たので、適当に流して走っていたらすぐ暗くなってしまう。よって、いつもの多摩湖歩行者自転車道と井の頭通りを通るコースで帰路についた。ついでに近所のベローチェで読書。

アクティブレストではなくLSDレーニングになってしまうと、疲れが取れないのではないかとも思うわけだが、実際その通りだ。月曜には脚に若干の疲労感が残っていた。とはいえ、普通に生活する上で支障があるわけでもなく、その疲労感も火曜朝には抜けていたので、問題はない。そもそも私のごときエンジョイ勢がロングライドしたところで、それ自体がLSDレーニングであり、溜まる疲労は高が知れている。土曜と日曜の両方にLSDレーニングをしたところで、アクティブレストが必要になるほどではない。というか、通勤で自転車に乗るだけで十分なアクティブレストになっている気もする。つまり何が言いたかというと、自転車に日常的に乗ると体に良いってことだ。