豪鬼メモ

一瞬千撃

ChromeのAVAIL BACKPACKを購入

自転車に乗る際に背負うバックパックを探していたのだが、やっといいのが見つかった。ChromeのAVAIL BACKPACKだ。


今までPorter(吉田カバン)の3-wayバッグをバックパックとして背負って通勤やサイクリングをしていた。16インチのラップトップが入るPCスリーブがあって、手提げのビジネス鞄としても使えて便利だった。しかし、8年くらい使うとさすがにへたってきたので、買い換えることにした。

私が普段使いのバックパックに求める仕様は以下のものである。

  • バックパックであり、背負って自転車やオートバイに乗れる
  • 登山用っぽくなくて、街中やオフィスで使って違和感がない
  • 16インチのMacbook Proが入り、それが壊れない程度の防護性がある
  • 15L程度の容量があり、1泊2日の荷物を入れられる

Porterの3-wayバッグはそれを完全に満たしていた。しかし、よく考えてみると、ビジネス鞄として使うシーンなど一度もなかった。ここ5年ほどビジネススーツに袖を通していないし、名刺すら持っていない私だ。3-wayよりも、普通のバックパックの方が便利に決まっている。Porterのは捨てないで取っておいて、冠婚葬祭などでスーツを着る機会に使えば良いとして、新しいバッグは普段使いに割り切って、以下の要求を追加したものを選ぼう。

  • バックパックらしい形だが、やはり登山っぽくないこと
  • 背負った時に縦横が背中からはみ出ないサイズ感
  • 背中がメッシュの立体加工の風通しになっていて、汗が溜まらない
  • 防水加工で、突然の雨でも安心
  • 20L程度の容量があり、2泊3日の荷物を入れられる
  • 内室がビジネス用に分割されていなくて、1部屋が広いこと
  • 外側のポッケは不要だが、ドリンクホルダーだけは欲しい

要は、自転車移動で使いやすいバッグパックが欲しいということだ。なので、アウトドアバッグやメッセンジャーバッグのメーカーを物色していたところ、Loweのalpine AirZone Active 22とChromeのAVAIL BACKPACKが良さげだった。前者は登山登山しいので、デザインは後者が好みだ。しかし、後者は値段が22000円とちょっと高い。そこで中古で探したところ、原宿のとある古着屋で7200円で売っていたので、さっと自転車で行って買ってきた。

使って1週間ほどになるが、めっちゃいい。まず最初の美点は、背中の風通しだ。自転車で走っていると風を引き込んで背中がスースーする感じがたまらん。Porterの時は背中だけ汗まみれになって、乾燥すると塩でカピカピになったり、生乾きだと剣道着臭くなったりしていたので、汗の対策はめっちゃ重要だ。風通しのためにバッグの背当てを丸く凹ませる製品が多いなか、背当てが真っ直ぐなのも良い。その方が荷室が使いやすいからだ。

次の美点は、仕事用の16インチMacbook Proがギリギリ入ることだ。この点については購入前に店で確認させてもらったのだが、本当にギリギリ入る。公式の商品情報には「13インチサイズに対応したラップトップスリーブ」と述べられていたので、16インチは入らないかもと思っていたが、何とか入った。16インチMacbook Proの筐体はだいたい横36cm、縦25cm、厚さ2cmだ。このギリギリってのが重要で、バッグがこれ以上大きいと背負った時に背中からはみ出してしまって機動性に支障が出てしまう。その意味では、このサイズは16インチ使いにとって最善の選択だと言える。しかもPC用のスリーブなので一定の防護性もあるし、他の荷物と混ざらないで背中の硬いところに収まるし、それでいてその裏は風通しの立体加工なのでPCの硬さを背中に感じることもない。

13インチのMacbook Airを入れるとこんな感じ。たぶん2個入れても大丈夫だろう。タブレットや書類を入れるのにも使える。

他にも細かい美点がある。生地が防水で、ジッパーも防水らしいので、雨でも中の荷物が濡れないで済む。それでいて、ジッパーに沿ったヒダヒダが付いていないので、挟んでイラつくこともない。19Lという適切な収納容量。荷室が無駄に仕切られていない。Porterで気になっていた一生使わなそうな外ポッケ内ポッケの群れもない。外側にドリンクホルダーがある。

首のすぐ後ろに小物入れがあるが、ここに音楽プレーヤやスマートフォンを入れると、ヘッドフォンの取り回しが楽になる。Bluetoothを使う場合でも、おそらく電波が安定して使いやすい。ヘッドフォンをつけて公道を運転するのは東京都では条例違反なので、徒歩用ってことで。バッグを自転車に載せる場合にも便利だ。この小物入れにスマホやら財布やらのよく使うものを入れると、気軽に出し入れできて良い。ちょっとしたゴミとかレシートとかを入れるのにも使える。

通勤に使うには19Lの容量はオーバースペックだが、荷物を入れなければペタンコになって、容量が大きいと感じさせないのもいい。それでいて、帰りに寄り道してブックオフで漫画15冊くらい大人買いしても収められる。夏は汗対策の着替え、冬は防寒用の上着を入れて行動できるので、やはり20L近辺の容量があるのは実用上望ましい。出張でも使えるし。

バッグは新品で買うと高いので、古着屋とかで中古を見て回った方がいいと思う。展示現品の状況を確認してから買えるし、ネットでは紹介されていないような格好いい製品とか面白げな製品とかもちらほら発見できる。今回はネットで調べてから店舗に行ったのだが、AVAIL BACKPACKと似たコンセプトの製品もいくつかあって、そちらに目移りしそうにもなった。

余談だが、ブロンプトンの専用バッグも検討した。ブロンプトンにつけてしまえば、汗のことはあまり心配しなくていい。ただ、ブロンプトン専用バッグは、車体に固定するためのフレームの分だけ重くなり、また背中が硬くなって背負い心地が悪いという問題があるっぽい。常に自転車移動ならそれでも良いのだが、それ以外の移動モードもそれなりにあるので、やっぱ背負って気持ちいいことを優先した。

ところで、自転車に乗っていて暑くなった時は、バックパックをハンドルに背負わせるという技をたまに使っている。縦に長すぎなければ、大抵のバックパックはこの方法で積載できる。汗が乾くまでこれで流して走るのだ。ハンドル操作が重くなるのでスポーティな走行はできないが、そもそも汗を引かせるための待避措置なので、それで十分だ。

より大きな欠点は、ショルダーストラップがハンドルに固定されているわけではないので、走行しているとバッグの位置が左右にずれてしまうことだ。また、バッグの底を自転車の泥除けで支える構造のため、上下方向の衝撃が減衰せずにバッグの内部に伝わってしまう。PCはスリーブ内で保護されているから良いが、カメラとかも入れることがあるので、ちょっと心配になる。

そこで考えたのが、小さなカラビナを使って、リュックの上部の真ん中にあるセンターストラップをハンドルポストにひっかけることだ。ハンドルポストの上部に少しすぼまっている部分があるが、そこにタイラップを巻き付けておく。カラビナはリュックのセンターストラップにつけておく。自転車に乗せる時は、今まで通りハンドルにリュックを背負わせた上で、カラビナをタイラップにひっかける。

こうすれば、バッグはハンドルポストの真ん中から釣られることになるので、位置が左右にずれない。また、バッグの下部がどこにも当たらないので、衝撃の心配もない。バッグの背当て部分がハンドルポストに当たり続けるが、AVAIL BACKPACKは背中がエアロ構造であり、それが中の荷物との間のクッションになってくれる。センターストラップの耐荷重はそんなに大きくないので、重い荷物を入れている場合にはやめた方がいいかもしれないが、ノートPCくらいなら大丈夫っぽい。それに、万が一センターストラップやタイラップが破断したとしても、ハンドルに通したショルダーストラップが支えてくれるので、事故にはならない。

荷物の悩みが解決して、私の自転車生活はさらに捗るようになった。ちなみに、カラビナ方式を考え出す前に妄想していたのは、ブロンプトンのフロントキャリアブロックのアタッチメントとして自撮り棒ハンガーみたいなのをつける方式だ。これがあれば、任意のバックパックを引っ掛けて移動できるし、ハンドルが重くなる問題もない。こういうの作れるDIYのワークショップとかあったら行きたい。

まとめ。自転車ツーキニストとして、ChromeのAVAIL BACKPACKは良い買い物だった。風通し、PCスリーブ、防水、19L。それでいてシンプルなデザイン。好き。誰しも買い物をする時は「ぼくのかんがえたさいきょうの…」に近い製品を探すわけだが、それにぴったりなものってどの分野でもあまり出会わないものだ。しかし、これは珍しくそれだった。基本的には背負って快適に走行できるし、汗を引かせたい場合はハンドルに背負わせても良い。捗る。