豪鬼メモ

一瞬千撃

武蔵野サイクリング

ポタリングって和製英語らしいので、今後は普通にサイクリングと称することにする。先日、天気が良かったので、目黒から北東方向に自転車を流してみた。玉川上水に沿いの道が緑豊かで気持ちよかったので、そこをずずっと遡って行った。


途中に井の頭公園があったので、そこで中休止して、ボートを眺めたり本を読んだり。水分補給やトイレ等を目的とした10分程度の休憩が小休止で、荷物を下ろして食事をするなどの長い休憩が大休止で、その中間が中休止ということらしい。


松本訓導殉職の碑。100年ほど前に、遠足の際に玉川上水に落ちた教え子を救おうとして溺れた松本という先生の勇気ある行動を偲んで建てられたそうな。

玉川上水のような浅い用水路で人が溺れるなんて意外だ。現場はこんな感じで、とても人が溺れそうにはない雰囲気だが、雨天で増水するとやばいらしい。気をつけよう。


玉川上水をさらに遡ると、小金井公園に着く。ここも家族連れで賑わっていた。井の頭公園といい小金井公園といい、素晴らしい公園が近くにあるこの地域はかなり良いな。ドームトランポリンはコロナのせいで整理券制になったそうで、利用したい場合は朝早くいかないと厳しげ。


小平あたりで北に転進すると、多摩湖自転車歩行者道にぶつかった。ここも緑が多くてよさげだったので、進んでみることにした。

途中にあった、小平ふるさと村。この地域にあった江戸後期の民家が移築再現されている。改めて考えてみると、産業革命前の技術で、しかも農村で、ここまでちゃんとした建物を作って文化的生活を営んでいたのって凄いわけで、そこから学べることは多い。



さらに進むと、終着点は当然、多摩湖こと村山貯水池である。多摩湖の定番の構図と言えば、この取水塔を入れたものである。奥に映るのは西武ドームだ。Leica Summilux 15mm F1.7、M.Zuiko 25mm F1.8、M.Zuiko 45mm F1.8で撮り比べ。この中から1枚だけ選ぶとしたら、やっぱ25mmの例かな。



多摩湖と言えば、高校の部活でたまに走らされたのを思い出す。学校から西武遊園地一周コースの約8kmだけでも地獄なのに、先輩の気まぐれでそれに多摩湖半周5kmが加わった日には、サドなのかマゾなのかと。





西武遊園地一周コースはなぜか体育の授業でも行われることがあって、途中で体育教師に「富士山に登るぞ」とか言われて、この荒幡富士に登ったものだった。ここはヤマノススメという漫画にも出てくる。

途中にあるこの丘はドレミの丘とかいう名前らしい。どの辺がドレミなのか全くわからんが、小手指方面がよく見渡せる。


なんだか懐かしくなったので、母校にも立ち寄ってみた。特に変わった様子もなかったが、ボロかった講堂が解体されて広場になっていた。

それより衝撃的だったのが、子供の頃から行きつけだったダイエー裏の床屋「銀座バーバー」が健在だったことだ。ダイエーはとっくに潰れたけど、まだまだ頑張ってほしい。


日も暮れてきたので、締めに適当に航空公園やら実家跡地の近くの公園やらを流した。実家があった場所の周辺は相変わらず寂れていて、むしろいい感じだった。



帰りは自転車を折り畳んで電車に乗せた。ブロンプトンは小さいし、よく走るし、輪行袋を畳んでフレーム内に収められるのが気に入っている。帰路の輪行を前提とすると、帰りに自転車に乗る分の体力や気力や時間や天候をあまり気にせずに現地で行動できるのが素晴らしい。この日もなんだかんだで50kmくらい走った気がするが、さして疲れもなく、普通に読書しながら帰って快適そのものだった。やっぱサイクリングっていいな。

そして、いわゆる武蔵野地域は改めて良いと感じた。自分が育ったからというのも勿論あるが、都会でもなく田舎でもないというバランスの良さが素敵だ。徒歩圏内で自然を満喫できるとともに、電車に乗れば30分とかで池袋や新宿や渋谷に出られる。目黒もいいけど、コロナでオフィスに通勤することもなくなった今となっては、もうちょい田舎に住むのもいいなとの思いを強くした。