豪鬼メモ

一瞬千撃

中望遠でSTFモード

手持ちSTFモードの布教をまだまだ続ける。M.Zuiko 45mm F1.8だけをつけて、徒歩通勤の途中で目に入ったものを撮っただけだが。全例で、F1.8からF3.5まで1/3段刻みの7枚を合成している。
f:id:fridaynight:20220317130144j:plain


被写体との距離とボケ方の関係にもだいたい慣れてきた。やはり、焦点距離の40倍までくらいだとSTF効果が高い。焦点距離45mmのレンズなら、1.8mくらいまでのピント面がスイートスポットだ。そして、ピント面との距離の比率が1.5以上の後ボケや、比率が0.66以下の前ボケは、顕著にとろける。それよりピント面に近い後ボケや前ボケは、なだらかに滲む。この例だとピント面は1.02mなので、後も前もいい感じにボケが出ている。ボケすぎているので、もうちょい離れて撮った方が良かったかな。
f:id:fridaynight:20220317131804j:plain

この例だとピント面は3.37mとのこと。もうちょい遠かった気がするが、EXIFのApproximate Focus Distanceタグがそう言っているのだ。平面的な被写体なので、そもそもボケとか関係ない絵なのだが、ちょっと離れるとボケにくいということが言いたかっただけだ。右端の看板の滲み方はSTFっぽい。ちなみにこの壁の上にある建物が美容室だからこの装飾になっているらしい。
f:id:fridaynight:20220317131501j:plain

この例だとピント面は1.34mだ。背景が十分にぼけつつも、渋谷スクランブルであることがわかる程度に陰影が視認できる。F3.5の情報が混ざっているのだから。
f:id:fridaynight:20220317131642j:plain

この例だとピント面は0.25mだ。ここまで寄ると被写界深度はとても薄くなるが、STFのおかげで花弁全体が被写界深度内に収まっている感じになる。それでいて、背景の地面との距離の比率もそれなりにあるので、十分にボケている。画面中央ちょい右くらいにゴーストが写っているが、そこにSTFの合成の痕跡が見える。
f:id:fridaynight:20220317132052j:plain

この例だとピント面は2.42mだ。スイートスポットを外れているのでボケは弱いが、背景に何か面白いものを入れられる場合にはこれでもありかな。
f:id:fridaynight:20220317132754j:plain

ピント面は0.52m。背景に玉ボケが入ったので玉ねぎボケが出るかなと思ったが、そうでもなかった。非常に小さい点光源でないと視認できる玉ねぎボケにはならないのかな。
f:id:fridaynight:20220317132842j:plain

ピント面は0.46m。テーブルフォトに中望遠レンズを使うと、カタログ撮影っぽくなっちゃう。その場合、ぼかすメリットがないので、普通に絞る方がいいかも。
f:id:fridaynight:20220317134212j:plain

ピント面は9.42m。ここまで離れると、後ボケは期待できないが、前ボケがいい感じになる。手前のおじさんが前ボケになってくれたおかげでいい感じに立体感が出ている。背景の人々は合成の都合で分身しているが、まあそれも味ってことで。
f:id:fridaynight:20220317160842j:plain

ピント面は2.77m。もうちょい近かった気がするが、EXIFのApproximate Focus Distanceタグがそう言っているのだ。2.77mの割には背景がよくボケている。EXIFの距離データが信用ならんだけかも。背景にもハチ公がいる。
f:id:fridaynight:20220317161136j:plain

ピント面は11.2m。ここまで来るとボケは非常に弱いが、それでも背景の板前さんが微妙に滲んでいるのはわかる。
f:id:fridaynight:20220317162239j:plain

ピント面は3.47m。前ボケと後ボケで主要被写体を挟んでみた。多重スクロール画面のゲームをやっているみたいな気分になる。
f:id:fridaynight:20220317164003j:plain

目黒天空庭園の花々。やはり近接撮影は被写界深度が浅くなるので、被写界深度を深くする効果のあるSTFは向いている。主要被写体の花弁全体が被写界深度に入るように絞ると背景の小枝とかがざわつくのが通常だが、STFならそれを解決してくれる。
f:id:fridaynight:20220317165356j:plain
f:id:fridaynight:20220317165634j:plain
f:id:fridaynight:20220317170035j:plain
f:id:fridaynight:20220317165513j:plain

以前に撮った標準レンズ(25mm)の例と今回の中望遠レンズ(45mm)の被写界深度を比較しよう。両者ともF2.5を中心に7枚合成していて、画面内の被写体がだいたい同じくらいになる距離から撮っている。そうすると、だいたい被写界深度が同じになるということが言いたいのだ。
f:id:fridaynight:20220311125400j:plain
f:id:fridaynight:20220317162833j:plain


まとめ。STF効果を活かすべく近接撮影する場合、中望遠の画角だと被写体の一部を切り取るような取り方をすることが多くなるが、それはそれで楽しい。ミノルタソニー)の本家STFレンズは135mmとか100mmとかなので、もっと難しそうだけど、いつかは使ってみたい。今となっては、紙でアポダイゼーションフィルタを作っていたのが懐かしい。それも味があったけども。