豪鬼メモ

一瞬千撃

今さらAquos R2 Compactを購入

6年ほど使っていたシャープのAquos R Compactが限界を迎えつつあるので、それと類似した使用感を持つ機種に買い換えようと思った。最新機種も含めていろいろ迷ったのだが、結局はAquos R2 Compact購入を中古で買った。2019年2月発売の古い機種だが、このサイズ感の最後のAndroid機だ。実際使ってみると、かなり良い。とにかく小さいのが良い。


2018年3月に買って6年間近く使っているシャープのAquos R Compactだが、長年の酷使でそろそろやばくなってきた。ガラスが割れてタッチの感度が落ちるとともに、画面右端10%くらいの領域がタップできない状態になっている。GBoardの片手モードで文字入力パネルを左側に寄せれば大体の操作ができるのでまだ使えるが、いつ完全に壊れてもおかしくない。それに、処理能力が低過ぎて最近のMapsやGmailChromeでしばし固まることが増えてきた。そろそろ寿命と言っていいだろう。財政規律の観点から財物は壊れるまでは使うのが私の主義だが、壊れたならば買い替えるのに躊躇はない。

購入時のレビューにも書いたが、Aquos R Compactは筐体サイズが小さいのに画面が綺麗で、解像度はFull HD+で、リフレッシュレートも当時にしては120Hzを達成していて、かなり使いやすいモデルだ。カメラの画質は悪いし、シャープの独自アプリは全く使えないものだ。しかし、スマホのカメラに高画質は期待していないし、独自アプリは無効化してしまえば問題ない。

私はスマホをズボンの尻ポケットに入れる派なので、筐体サイズが小さいというのは最重要仕様である。具体的に言うと、高さが135mm以下であることが望ましい。その範囲で、解像度がFull HD+(1980*1080以上)ならOKだ。当然、SoCの性能は高い方がよく、リフレッシュレートも高い方が良く、電池容量も多い方が良く、価格は安い方が良いのだが、それらは二の次だ。Aquos R Compactのサイズ感は以下のような感じだ。

Aquos R Compact 132.0 * 66.0 * 9.6
iPhone 7 138.4 * 67.3 * 7.1
iPhone 8 138.4 * 67.3 * 7.3
iPhone SE 138.4 * 67.3 * 7.3
iPhone 13 mini 131.5 * 64.2 * 7.4
iPhone 15 146.7 * 71.5 * 7.8
Pixel 7a 152.0 * 72.9 * 9.6
Pixel 8 150.5 * 70.8 * 8.9
Aquos wish3 147.0 * 70.0 * 8.9
Aquos sense8 153.0 * 71.0 * 8.4
Xperia Ace3 140.0 * 67.0 * 9.3
Xperia 5 V 154.0 * 68.0 * 8.6
Galaxy S23 146.0 * 71.0 * 7.6

Aquos R CompactとiPhone 13 miniが圧倒的に小さいのがわかるだろう。残念ながら、それらに匹敵する小ささの最新機種はもう市場に出ないらしい。Full HD+の機種でも、だいたい縦がやたら長くしてある。そんな長くて誰得なんだろうと私は思う。2画面表示とかするなら便利かもしれないが、そんなことはそうそうやらない。Webページを読むにしても、Kindleで読書するにしても、写真や動画を表示するにしても、16:9(1.77:1)よりも長くて嬉しいことなんてない。むしろ縦置きの際に横幅が広い方が嬉しいので、3:2(1.5:1)でいいんじゃないかと思うくらいだ。だが、悲しいことに、世間のトレンドは縦長らしい。価格.comで検索してみたところ、縦135mm以下の筐体は本当に絶滅しているっぽい。

尻ポッケに入れても壊れない機種では、Aquos R Compactの後継であるAquos R2 Compactがおそらく最強最後の存在だ。R2は、初代に比べると、筐体はサイズは若干小さくなりつつ、ベゼルを減らした分だけ画面サイズが縦に長くなって2280*1080になっている。SoCはSnapdragon 660 (4x2.2GHz+4x1.9GHz)からSnapdragon 845 (4x2.6GHz+4x1.7GHz)に強化されて、処理速度が1.5倍になっているらしい。RAMは3GBから4GB、ストレージは32GBから64GBに強化されているとな。Xperia Ace3もサイズ感はいい感じなんだけど、なぜか解像度がHD+というしょぼさなので却下だ。

画面解像度に価値を見出す私だが、最近の機種は6インチの大型のものでもFull HD+(1080p)が多い。つまり、でかくなった割に解像度は上がっていない。しかも有機ELのものはペンタイル配列のものが多く、色解像度が従来のRGB配列に劣る。色域やダイナミックレンジは有機ELの方が上だが、スマホで写真や動画をじっくり見ないので、それらはどうでもいい。一方で、シャープのIGZO液晶なるものは早くから120Hzのリフレッシュレートに対応していて、スクロール時に残像が残らないのがいい。Pixel 8などの最新機種は120Hzに対応しているが、現行機種のPixel 7aは90Hzと劣っている。120Hzに慣れると60Hzの残像感は耐えられない。2019年の時点では多くの機種が60Hzだったことを考えると、シャープはかなり頑張っていたと思う。Full HD+かつ120Hzかつ縦14cm以下の製品はAquos R ComapctとAquos R2 Compactだけだ。

ゲームも動画もPCでやった方が快適なので、私がスマホに期待するのは外での調べ物に必要な機能(地図、Webブラウズ、メモ等)だけだ。仕事も当然PC上で行う。よって、5Gの高速通信も必要ない。写真をちゃんと撮りたい時はデジイチを使うのでスマホのカメラはメモ程度で良い。AIとかも要らん。なんか老害っぽいセリフを言うようだが、ここ数年の最新機能って、無くてもいいものばっかりだなと思ってしまっている。もちろん、最新機能を使いこなす生活を自分がしていないというだけなのだが、本当に最新機能が必要な人の割合は多くないと思ってしまう。

そもそも尻ポッケにスマホを入れなければいいんじゃないかという話もある。尻ポッケに入れる利点は、スマホが入っていないことが触覚でわかるので忘れないことだ。右の尻には財布、左の尻にはスマホを入れておき、出かけたり移動したりする際には必ず双方の尻を叩いてそれらが入っているか確認する癖がついている。尻ポッケなら取り出すのもしまうのも楽だし、前ポッケと比べて狭いので落ちる心配もない。高さ135mm以下であれば、滑り台を滑らなければ、圧力で折れる心配もない。立っても座っても、自転車に乗っても問題ない。季節や場所を問わずズボンを履かない日はないので、常に同じ運用ができるのも利点だ。この利点を他の方法で満たすのは難しい。鞄に入れるのは忘れるし、スマホポーチは野暮ったい。

私の観測範囲では、少なくとも男性ではスマホを前ポッケか尻ポッケのどちらかに入れている人が多数派だ。そうなると、世間の人々に問いたいのは、高さ155mmとかの長物が前ポッケなり後ポッケなりに入っていて不安にならないのかということだ。私は少なくとも二度ほどポッケに入れていてガラスにヒビを入れたことがあるので、長いスマホは持ちたくない。とはいえ、私のような声が市場を支配するに至っていないからこそ、スマホがどんどん長くなっているのだろう。不思議だが、現実は受け入れないと仕方がない。

てことで、今更ながら、Aquos R2 Compactを買うことにした。で、数日間、ヤフオクとメルカリを監視し続けたところ、状態のいい中古製品は12000円程度で落札されているっぽいことがわかった。なので、即決11000円以下の良品が出たら落とすと決めてさらに監視を続けた。良品の基準は、液晶に傷や色ムラがなくて、できればケースとカバーガラス付きで運用されていて、SIMロック解除されているものだ。Aquos R2 CompactはSIMフリー版とSoftbank版があるのだが、日本で使える帯域についてはSoftbank版でも全て対応していることは調べた。SIMフリー版よりSoftbank版の方が安く取引されるので、Softbank版が狙い目だ。で、さらに数日ヤフオクとメルカリを監視していたところ、即決9900円でSoftbank版が出品されていた。上述した良品の基準を満たすものだったし、SIMロックFRPロックが解除されていることも確認できたので、即ポチした。

話は逸れるが、オークションに限らず、中古で物を買う場合にはいつも、「秘書問題」の構造が頭をよぎる。リサーチを始めた初期段階では相場がわかっていないので、多少良さそうな条件のものを見つけてもすぐに飛び付いてはいけない。最善を逃すとしても、許容範囲の着地点を設定すべく、最初のいくつかの取引は静観するのだ。ヤフオクやメルカリの場合、過去の取引を観察するとこの手間を簡略化できる。そして、購入基準を定めたら、根気よく監視を続けて見合うものの出現を待つのだ。考えてみると、就活や婚活や住宅購入も似たような構造なのだが、そういった人生の岐路の選択で俯瞰的な視座を活用するのはなかなか難しいものだ。
president.jp

閑話休題Aquos R2 Compact商品が届いた。筐体のサイズは初代とほぼ同じだが、縦幅が1mm、横幅が2mm短くなっている分、ほんの少し握りやすくなっている。尻ポケットに入れる際にも快適だ。

R2になって画面が少し下に伸びた。切り欠き部分はアプリには基本的に使われないのだが、そこにOSのナビゲーションボタン(戻る、ホーム、アプリ切り替え)を隠さずに置いておくことができるので、利便性が多少上がった。

使用感は、初代とほとんど変わらないが、処理能力が上がった分だけ処理待ち時間が減っている。SoCの性能が上がった影響もあるだろうが、メモリが4GBに増えたのが大きい気もする。ブラウザもマップもGBoardもサクサク動くので、必要十分だ。Androidのバージョンが初代だと10までだったが、R2だと11までアップデートされている。今日現在の最新版は14なので、3世代も前になるわけだが、困ることは全くない。Android 12からMaterial YouのUIが採用されたが、11はその前の最終バージョンなので、10からの乗り換えとしては楽だ。というか10と何が違うのか全くわからない。R2は日常使いにマジで良い。初代と同じことしかできないが、同じことが機敏にできる。リフレッシュレートが高いし発色も良い画面なので、使っていて快適そのものだ。

小さい筐体だし古い機種なので仕方ないのだが、電池の持ちは悪い。充電は毎日しないとダメだ。マップを表示し続けていたら4時間は持たないし、ブラウザを使い続けていても同じだ。スマホでブラウザを4時間も見続けることはそうそうないが、自転車で遠出する際にナビとして使うには心許ない。とはいえ、モバイルバッテリーを使えば良い話ではある。そんなに長時間使わないのに電池容量のために筐体が重くなっているよりは、日常使いで十分な電池容量で軽い筐体の方が良い。

カメラは、依然としてメモ用画質だ。画角が換算25mm相当から換算22mm相当に広がっているが、正直広すぎて使いにくい。ただし、画素数が1600万から2200万に上がっているので、トリミングして画角を調整すれば同じような使用感にはなる。画質はまあ、センサーサイズなりといったところだろう。初代では画面端の方の流れがひどかったが、R2になってちょっとマシになった。あと、デフォルトで入っているカメラアプリはシャッター音が消せないので、Android純正カメラアプリの野良APKを落としてきて入れた。

参考までに、同じシーンをオリンパスE-M10とLeica Summilux 15mm F1.7で撮ったものは以下だ。やはり画質はカメラ専用機に軍配が上がる。スマホの画像エンジンによる出力は、いかにもノイズ除去してからシャープネスをかけた感じの合成感を漂わせるが、カメラ専用機で撮ってちゃんと現像すればそのようなことにはならない。レンズの違いも顕著で、ちゃんとしたレンズだと画面端の流れがほとんどない。

通信速度は以前と変わらず、テザリングも普通にできた。よって、ノートPCを持ち歩いていれば普通に外で仕事もできる。とはいえ私はIIJ Mioの1980円の最安プランを使っているので、出先で動画視聴をするのは現実的ではない。まあ東京に住んでいる限りはどこかしらでWifiが使えるので、最安プランで通信量が足りなくなったことはほとんどない。

まとめ。Aquos R2 Compactはめっちゃ良い。5年前の機種だが、さくさく動くし、縦のサイズが131mmと圧倒的に小さいながら、Full HD+の解像度で120Hzのリフレッシュレートをディスプレイを備えるので、使い勝手はすこぶる良い。処理速度も必要十分であり、日常使いにこれほど便利な機種は他にない。中古だがこれが1万円以下で手に入ったのだから、8万円以上出して最新機種を買うなんて散財をしなくてよかったと心から思う。