私が所有するマイクロフォーサーズの中望遠・標準・広角の3つのレンズの描写や使い勝手について前回の記事で比較したが、今回はそれぞれの玉ボケについて考察してみる。中目黒の山手通り沿いバーの前で不穏な動きをしていたのは私です。
まずは広角単焦点レンズLeica DG Summilux 15mm F1.7 ASPH。以後LS15と呼ぶ。開放F1.7で真ん中辺にピントを合わせて普通に撮るとこんな感じ。
ピントを無限遠に合わせて前ボケを作る。
上と同じくらいの大きさの玉ボケが出るように、ピントを近接側に回して後ボケを作る。
さらに近接に回して後ボケの大きな玉ボケを作る。
次に標準単焦点レンズOlympus M.Zuiko 25mm F1.8。以後MZ25と呼ぶ。開放F1.8で真ん中辺にピントを合わせて普通に撮るとこんな感じ。
ピントを無限遠に合わせて前ボケを作る。
上と同じくらいの大きさの玉ボケが出るように、ピントを近接側に回して後ボケを作る。
さらに近接に回して後ボケの大きな玉ボケを作る。
最後に中望遠単焦点レンズOlympus M.Zuiko 45mm F1.8。以後MZ45と呼ぶ。開放F1.8で真ん中辺にピントを合わせて普通に撮るとこんな感じ。
ピントを無限遠に合わせて前ボケを作る。
上と同じくらいの大きさの玉ボケが出るように、ピントを近接側に回して後ボケを作る。
さらに近接に回して後ボケの大きな玉ボケを作る。
前ボケの等倍比較。
後ボケの等倍比較。
まず気づくのは、どのレンズの例でも、前ボケにはマゼンタのカラーフリンジが出て、後ボケにはグリーンのカラーフリンジが出るということだ。LS15とMZ25は大ボケさせてもまだフリンジが視認できるが、MZ45は大ボケの周りには出ていない。軸上色収差の少なさではMZ45が優秀で、残り二つはイマイチと言える。そのMZ45ですら普通に視認できる程度のフリンジは避けられない。大きめのボケの周囲に出るフリンジは後処理でも簡単には消せないので、悩ましいところだ。
次に気づくのは、MZ25とLS15の例では、玉ボケの中に模様が付いているということだ。いわゆる年輪ボケとか玉ねぎボケとかオニオンイフェクトとか言われるやつだが、非球面レンズを使ったレンズではよく出るとかいう話だ。二つの中ではMZ25の方がより顕著かな。とはいえ等倍で見ないと気づかない程度なので、欠点というほどではない。MZ45はここでも優秀である。ボケといえばMZ45。
そもそもこの観察をやった動機は、前ボケと後ボケの性質の違いが玉ボケの形から明らかにできるのではないかと思ったからだ。しかし、玉ボケの形はフリンジの色を除けば前ボケでも後ボケでもほとんど同じようにも見える。なので、グレースケール変換して輝度の明暗だけに着目してみよう。前ボケと後ボケの順に列挙する。ボケの輪郭に着目すると、前ボケの方が後ボケよりもエッジが立っていて、逆に後ボケの方がなだらかにフェイドアウトしているように見えなくもない。でも、気のせいかも。ブラインドテストされたら弁別できる自信がない。
結論。前後のボケ味の違いを玉ボケから判断するのは容易ではないが、後ボケの方がちょっと綺麗な気はしている。しかし、少なくともここに挙げた三つのレンズを使うならば、前ボケと後ボケのボケ味の違いを気にして生活する必要はない。MZ45は小さくて安くてよく解像してボケ味もナイスなレンズだ。LS15とMZ25の玉ボケも普通に見られる画質だ。
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