夏の終わり

「お姉ちゃんなんだから我慢しなさい」とかいった、地位による行動規範を設定しないのが当家のポリシーである。父でも母でも姉でも妹でも、「できることは自分でやる」「できないことはできる人にやってもらう」そして「話し合いで解決」を徹底する。そうなると、議論では負ける妹がどうしても割りを食うシーンが多くなってくる。その救済策の一環として、姉がキャンプ等で不在の際には下の子のやりたいことをなるべくさせてあげることにしている。先週がそのチャンスだった。

金曜はキッザニアに妻が連れて行った。今回は、鉛筆工場とロボットプログラマーとサラダシェフとハンバーガーショップスタッフと獣医と眼科医を体験。私は現場を見ていないのだが、写真を振り返りながら、何があったかひとつひとつ聞いていくのが楽しい。意外にちゃんと細かい内容まで理解して覚えているのに感心させられる。楽しいことは集中してできるという好例だ。

土曜は暑かったので、区民センターのプールへ。大人用プールは純粋なスイミングプールであってスライダー等の遊びもないのだが、浦島太郎ゴッコなどしていたらあっという間に2時間も経っていてヘトヘト。そのうえ、公園をハシゴして遊んだ。最近、雲梯ができるようになったらしい。気づくと、腕や足の筋肉がかなり発達していた。よいことだ。我が子達は私に似て体が小さいので、相対的に筋肉を太くしていかないとパワー負けしてしまうからな。

夕方には浴衣を来て幼稚園の夏祭り＆盆踊り大会へ。この催しは本人がとても楽しみにしていて、私も甚平を来て気合を入れて出陣。行きがけに神社でお参りまでして雰囲気を出して臨んだ。先生方が作ってくれた夏祭りの出し物もとっても楽しかった。が、しかし、なぜか踊りの本番中にグズり出してしまい、全く踊ってくれなかった。幼稚園最後の盆踊りなのに、がっかりして私が泣きそうになった。

そうこうしているうちに、姉が帰って来てしまった。乗馬キャンプの楽しい思い出をいっぱい持って帰ってくる強敵である。日焼けして歯も抜けて逞しくなってるし。今回もとっても楽しかったそうな。でも、妹の方も、お互いに自慢話ができる程度には夏の終わりを盛り上げられたかなとは思っている。

夏休み最終日は、姉妹揃っておでかけ。姉の自転車公道デビューということで、ちょっと遠出して渋谷や新宿をサイクリングした。子供視点でカメラを構えると、スクランブル交差点の人波が本当の波みたいに感じられる。姉の体力はさすがキャンプっ子なもんで、この程度の距離は全く問題なかった。

しかし、はるばる来た新宿中央公園のアスレチックが撤去されてて残念。その他のコーナーもやたら工事中だし、ここはしばらくだめだな。

夏休み最後の最後のイベントは、池尻大橋の夏祭り。園の盆踊りで父をがっかりさせたのを悟った妹が、なんと自分から「踊ろう」と誘ってきてくれて、一円玉の旅ガラスを親子仲良く踊りましたとさ。

その夜、翌日から学校が始まる姉はサザエさん症候群を発症してさめざめと泣き出した。まあ、キャンプが楽しすぎただろうから気持ちはわからんでもないが、やりきった感がいっぱいの親の仕事がまだ終わらないというのはなかなか酷な話である。

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