豪鬼メモ

一瞬千撃

Lightroomプロファイル難民

Lightroomの現像設定の俺デフォルトを探す旅が未だに落ち着かない。バッチ処理で適応する自分好みのプリセットをひとつ決めたいのだ。作例ごとに設定を試行錯誤して追い込むのが理想的であるとしても、ベースラインとしての俺デフォルトがある方がいい。もちろん、最大多数の最大幸福を追求しているであろうAdobe Standardをそのままベースラインにするのもありだが、そこに手間をかけて自分好みにできないかと考えてしまうのが趣味の世界である。で、今回は基本に戻ってまた一から設定を見直してみる。定石通り、まずはCamera CalibrationカラムのProfileの中から、自分の好みに最も近いものを選ぶ。ここで挙げる写真の全例はOlympus OM-D E-M10で撮影したRAWデータの現像例である。同じ現像設定でもセンサーとの組み合わせで結果が変わるから、他社の機種に乗り換えた時にはまた同じような試行錯誤をしなければならないだろう。

ちょっと前まで使っていたOlympus Viewer 3が出力する絵は結構気に入っていたので、ますはそれに近い絵を出せるようにしたい。カメラJPEGOlympus ViewerではプロファイルをNaturalにしていたので、まずはそれで現像してみる。この写真は朝の通園の途中で撮ったものだが、私の記憶にある印象よりコントラストがきつすぎる。
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よって、コントラストをちょっと下げてみる。Naturalのまま、Contrastを-10、Shadowを+20にしてみる。だいぶマシになったが、まだコントラストが高すぎる感が。彩度も高すぎる気がする。
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で、コントラストと彩度が低いプロファイルといえば、Mutedである。Mutedにして他はデフォルトに戻す。NaturalよりMutedの方が落ち着いて好ましい絵に感じる。
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しかしまだコントラストが高いので、MutedでContrastを-10、Shadowを+20にしてみる。今までで一番好ましくなった。ちょっとまだコントラストも彩度も高すぎると感じるが、まあパラメータを微調整すればよさそうだ。ただ、やたら赤いのが気になる。朝の光を浴びているとはいえ、肌がこんなに赤くはなかった。
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Camera CalibrationのShadowsのTintを-20にしてみる。これは暗部の色相をマゼンタ寄りかグリーン寄りにずらす効果で、マイナスに降るとグリーン寄りになる。フィルム写真っぽく暗部だけ緑かぶりさせるのに使ったり、地面からの赤や緑の照り返し光を相殺するために使うらしいのだが、顔が赤すぎる問題の対策に使えるかなと思ったのだ。ただ、結論としては、使えないということに。赤かぶりしているのは暗部だけでなく全輝度範囲に及ぶからだ。これはこれで雰囲気のある絵になったけど。
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Camera CalibrationのRed PrimaryのHueを+10にして黄色方向に振ってみるとどうなるか。赤いのは治るが、今度は黄色っぽくなってしまった。あたりまえだが、あまり有効な対策とはいえない。
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Red PrimaryのSaturationをするのはどうか。各色のPrimaryのSaturationを調整すると、色相環上でその色に方向が近い色ほど強く彩度を調整してくれるらしい。つまりRed Primaryを下げると赤やオレンジやピンクっぽい色の彩度を選択的に下げることになり、結果として赤すぎ問題が軽減されるはず。これは効果あり、赤すぎるという印象は拭うことができた。ただ、ちょっと生気が抜けた感じの絵になってしまった気がする。
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生気を補うべく、Blue PrimaryのSaturationを+20してみる。青方向の色の彩度を選択的に挙げることで、肌を色付かせずに、全体的に彩度を挙げることができる。人によっては色味にパンチをつけたい時はとりあえずBlue PrimaryのSaturationを+50しろとか言ってたりもするので、そこそこ人気のある手法なのだろう。ちなみにBasicカラムのVibranceでも同じような効果があるっぽい。これはなかなかいいぞ。この例に関してはほぼ満足のいく色味になったきがする。
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ここまでをまとめると、Profile=Muted、Contast=-10、Saturation=+10、Red Saturation=-10、Blue Saturation=+10にすると、なんか良い感じになることがあるということがわかった。細かい数値はもうちょい検討の余地があるだろうけど。この設定を以後、Muted-Anti-Redと呼ぶ。

ところで、Adobe Standardはどうなのか。実はデフォルトのままの方が良いということはよくあるので、ちゃんと確かめないと。で、これ、意外にいい。ちょっと黄緑成分が強すぎる気がするけど、さすがデフォルトだけあってクセがなくて見やすい。いろいろいじるのも良いけど、迷ったらデフォルトに戻ればいいというのは安心できるね。
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バッチ処理で適用する設定を探しているのだから、他の作例に適用するとどうなるかも見ないといけない。今度は空の色がどうなるかを見てみる。Muted-Anti-Redとデフォルトと例を順に並べてみてみる。両方とも似たような絵になっているが、デフォルトの方は空がマゼンタ寄りになっている。そもそもこの空の色が気に入らないからCamera CalibrationのProfileに手を出したのだ。
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デフォルトをベースにして空の色を解決したい。いろいろ試行錯誤したのだが、Blue PrimaryのHueをシアン方向に微調整すると落ち着いた空色になる気がする。-10だとちょっとやりすぎなので、-5くらいかな。この設定を以後、Adobe-Anti-Magentaと呼ぶ。
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ツートップが揃ったところで、いろんな写真にそれらを適用するとどうなるかみてみる。

Adobe-Anti-Magenta
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Muted-Anti-Red
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Adobe-Anti-Magenta
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Muted-Anti-Red
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Adobe-Anti-Magenta
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Muted-Anti-Red
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Adobe-Anti-Magenta
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Muted-Anti-Red
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Adobe-Anti-Magenta
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Muted-Anti-Red
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Adobe-Anti-Magenta
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Muted-Anti-Red
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Adobe-Anti-Magenta
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Muted-Anti-Red
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総評としては、Adobe-Anti-Magentaは黄色っぽい感があり、Muted-Anti-Redはまだちょっと赤っぽい感があるけれども、タブで開いて切り替えて見比べないとどっちがどっちだかわからない程度に接近してきている。ゴールは近いかも。Muted-Anti-Redをもうちょい改良するなら、Blue Primary SaturationかVibranceでもうちょい彩度を上げるかな。あと、ハイライトが辛辣で白飛びっぽく見えてしまうので、Exposureを-0.1くらいしてもいいのかも。Adobe-Anti-Magentaを改良するなら、Red Primary Hueを-5、Green Primariy Hueを-5くらいして黄色を相殺するかな。