「キットレンズがいけてる5つの理由」というRobin Wongの記事を見たのだが、私の経験則としては、件のズームレンズM.Zuiko 14-42mm F3.5-5.6 EZだと、彼のようにきっちり解像した写真がなかなか撮れない。なぜだろう。写真としての良し悪しを言っているのではなく、解像の問題であるからして、写真の腕は関係ないはずなのに。被写体が静物であれば、AFでピントを決めて手ブレさせずにシャッターを切れば、誰だってレンズの実力なりに解像した写真が撮れるはずだ。私もそうしているのに、なぜか、Robinのようにうまくいかない。謎の解明の一助とすべく、MZ14-42を持って浜離宮恩寵庭園に行ってきた。帰京する家族を迎えに品川に行くついでに寄っただけなんだが。
道中でパシャリ。広角端14mmはフルサイズ換算28mm画角で、初代RX100で慣れた画角であるからして、なんか懐かしい感じが。このググッと奥に視線を引き込む感じが広角の楽しいところである。なかなかいいじゃんこのレンズ。
ちなみに、RX100もそうだけど、このレンズが持つ歪曲収差はかなり大きい。もしも歪曲補正せずに現像すると、こんな風になる。左端の柱とかみると、強烈な糸巻き型湾曲がよくわかる。現像時の補正によって気にならないレベルになるというか、むしろわずかに樽型湾曲が見られる過補正になっている気が。
望遠端だと歪曲はだいぶ弱いっぽい。上記の例と同様に、歪曲補正あり(Olympus Viewer 3)と歪曲補正なし(DCRaw)の現像結果を比べてみる。
風景撮りなので広角端ばかり使ってしまう。いつも使っている換算34mmよりも広いので、全てが小さく写って戸惑いつつも、広く写って気持ちいい。しかし、この庭園は地味すぎて、凡人の目には面白い被写体がなかなか見つからない。やたらとビルがフレームに入ってくるし。
広角の風景撮りでは、縦横4:3の画面比率だと画面の上下が地面や空で占められて間延びした感じになりがちだが、3:2や16:9にすると収まりがよくなることがある。画面比率変更を多用するようになるとFnボタンに割り当てたくなるが、E-M10だとできないのが悲しい。改善希望。
ああそうだ。解像するかどうかを調べに来たのだった。F5.6に固定して、焦点距離を14mm、17mm、25mm、42mmと変えつつ高さ3mmほどの松が画面いっぱいになるように撮ってみた。広角端が最も解像力があり、望遠になるほどに不鮮明になるように見受けられるが、被写界深度の違いもあるしピントを外しているだけかもしれないので確たることは言えない。少なくとも広角端でそこそこ解像していることはわかる。
以上でわかったのは、風景を撮るにあたっては、自分のニーズにおいては、キットズームの解像が問題になることはなさそうだということだ。等倍で見れば違いはあるのだろうが、それやり始めるとピントの甘さの方が問題になる。解像度とは別に色収差が問題だというレビューもあるが、上記の例を見る限りはそんなに気にならない。それでもRobinの作例ほどには解像していない気がするので、もうちょい試行錯誤する余地がありそう。
キットズームが意外によく写るということを確認できたのはいいが、それは単焦点レンズを愛用している自分の観点を揺るがす事態でもあるわけで、悩ましい。この悩みを発展的に解消するには、単焦点レンズの方がもっとよく写ることをきちんと示さないといかんのだ。次回に続く。
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