豪鬼メモ

一瞬千撃

M.Zuiko 45mm F1.8購入

幼稚園年中である娘のお遊戯会の様子を撮るために、オリンパスのM.Zuiko 45mm F1.8を急遽購入した。3週間ほど経ってもまだ全く使いこなせていないが、感想など書いてみる。

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画質

各所のレビューを見るにつけ、画面全体の解像度の高さが絶賛されていて、歪曲や色収差の少なさの点からも賞賛されていることがわかる。 それでいて安くて小さい。LensTipePhotozineのレビューを見ても、品質の高さがわかる。買わない理由が無いなどと言われるほどに良いらしい。

実際に自分で使ってみても、解像度や歪曲や色収差に関しては文句のつけようがないような気がする。遠くにあるものに手が届きそうな感じの描写が得られる。25000円で買えて手のひらに収まるほど小さいのに、よく写る。素晴らしいレンズだと思う。

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スナップには不向き

ただ、45mm(換算90mm)中望遠の画角は、俺のように写真が下手な人間にはなかなか使いこなせないのが問題である。もちろんこれはレンズのせいではなく、ユーザの問題ではあるが、とにかく合格写真のヒット率が低いのだ。お遊戯会でも3枚くらいしか合格写真を残せなかった。

そもそも、画角が狭いので、構図を作るのが難しい。対角画角27.0度、水平画角21.7度、垂直画角16.4度という狭さだ。主要被写体と背景をうまいこと同時にフレームに収めるためには自分で動き回って視点を変えなきゃならないのだが、被写体からかなり離れた位置に自分はいるわけで、理想の位置に実際に移動できることは少ないし、できたとしてもその時には被写体が動いてしまっていたりしてまたやり直しになったりする。ファインダーを覗きつつ半径10mの円軌道でカニ歩きをしていると車にひかれそうになるし、離れている子供達も危険だ。

そして、ピント面が薄いので、ピントを外すリスクが高まる。顔認識によるAFだと外す確率がかなり高い。タッチAFで目などを指示する方法もあるが、それでも外すことが多い。背景の適切なボケ量を調整することも重要となるが、それがまた難しい。背景がボケすぎてどこで撮ったかわからんような写真になってしまうことも多い。

さらに、画角が狭いことで手ぶれの影響が大きくなるのも辛い。E-M10はPモードやAモードだとSSが1/100秒以上になるように自動設定してくれるが、当然ながらその分だけ感度が高くなって画質は低下する。ボケ量を抑えるために絞るとさらにこの問題は悪化する。

まあ、要は、腕を上げるべきなのだ。せっかくの良いレンズなのだから積極的に絞りを開けて、走り回って構図を整えて、MFなりなんなりでしっかりピントを合わせて、しっかり構えて撮るべきなのだ。

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使いどころ

本レンズは、動き回る子供を撮るのにはちょっと辛い。というかだいぶ辛い。指示した任意の位置で被写体が静止してくれるなら、構図を決めてMFでピントを合わせることもできようが、1歳から6歳までの子供にそれを求めるのは難しい。歩かない乳児期や分別のある児童期以上であればなんとかなるかも。お遊戯会の際には本レンズを持っていてよかったが、利便性を求めるならばズームレンズの方がいいわけで、この画角の単焦点レンズの使いどころを見いだすのはなかなか難しい。

とはいえ、機嫌がいい時にお願いしてちゃんとポーズをとってもらうと、それっぽい写真が撮れるのがいい。本レンズのキャッチフレーズは「ママのためのファミリーポートレートレンズ」とのことだが、その通りだと思う。被写体に静止してもらって構図とピントを調整しつつ10枚くらい連射すると、その中にお気に入りものがあるかもしれない。あるいは、公園などの広い場所で子供の注意を引かずにこっそり撮る方法もいいかも。その場合には被写体から離れて撮れることは利点になる。

背景をぼかして植物や動物や小物を被写体にする作例をたまに見かけるが、素人がまねしてやっても全然それっぽくならないのは困ったものだ。広角で撮れば、背景がたくさん入るので、少なくとも「ああどこそこに行ったのね」という説明的な価値が生じるのに対して、望遠で狭い視野を切り取って面白い写真を作るのはそれなりの技術や感性を要求するっぽい。子供の笑顔を捉えられれば誰が撮ってもいい写真にはなるのだが。

既に述べたように、実焦点距離45mmのF1.8口径では被写界深度が浅すぎることによる失敗が多いので、実用的にはF1.8より絞り込みたいことが多い。したがって、F1.8というレンズ口径は十分だと思う。いわゆるフルサイズセンサーのカメラの方が4/3型センサーやAPSCセンサーよりボケ量の点で有利という話はよく聞くが、むしろ同一画角で被写界深度を稼ぎやすい4/3型の方が素人には使いやすい気がする。

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中望遠レンズというくらいなので、遠景を引き寄せて撮るのにも向いている。運動会などのイベントの撮影でも活躍することうけあい。
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レンズフード

本レンズにはレンズフードがついてこないので、例によってエツミのインナーメタルフード(通称フジツボフード)を使うのがよさげ。37mmのものが装着でき、ケラレも起きない。インナータイプだと、キャップをしないで持ち歩いてもレンズ前面に何かをぶつける心配があまりないのがよい。フードをつけたままレンズを外してカバンに入れてもかさばらないし、フードが外れたり壊れたりする心配もない。

インナーフードを付けていたとしても誤ってレンズ前面に指で触れてしまうことはありうる。そうすると、傷はつかないにせよ、手の油が付着するので、拭き取る手段は持っておいた方がよい。インナーフードを付けていても容易に汚れを拭き取るには、ハクバのレンズペンがとても便利だ。

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まとめ

M.Zuiko 45mm F1.8は、素晴らしい画質の写真を撮ることができるレンズだ。2万5千円なのに、フルサイズの15万円とかするレンズよりも解像度が高い神レンズだ。ただ、家族の日々の生活を撮るという観点では、換算90mmという中望遠の画角は主役にはなり得ない。一本目の単焦点レンズとしてはM.Zuiko 25mm F1.8やM.Zuiko 17mm F1.8の方がいいだろう。しかし、45mmでうまく取れた時はとても良い感じの写真が出てくるので、持っておいて損はない。

お出かけの際の使い分けとしては、初めて行く場所には背景を多く取り込みたいので17mmを付けていって、二回目に行く場所には人と背景を半々で撮りたいので25mmを付けていって、3回目以降は表情さえ撮れればOKなので45mmを付けていくといった感じかな。

OLYMPUS 単焦点レンズ M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8 シルバー

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HAKUBA レンズペン2 【レンズ用】 BK KMC-LP6B

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