豪鬼メモ

一瞬千撃

夏休みの自由研究

夏休みと言えば宿題。教育の甲斐あって上の子はギリギリタイプではなくコツコツタイプに成長しつつあるのだが、それでも遊びや旅行などでスケジュール一杯の彼女にとっては簡単な仕事ではない。習い事やZ会の宿題もあるし。しかし、夏休み終盤を占める乗馬キャンプが始まる前に宿題全てを終わらせねばキャンプに参加できないというプロットのおかげで、進捗管理は比較的楽だ。手抜きをするくせがあるので品質管理はしっかりやらねばならないが。全例E-M10とM.Zuiko 25mm F1.8。
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今年の自由研究は、テーマ選定に干渉するのはやめて、全て自分でやらせることにした。去年の経験から、「一日で終わる」「実験結果が視覚的にわかりやすい」などの要点をなんとなく理解しているらしい。本来の学術研究と「夏休みの自由研究」は似て非なる分野なのだ。図書館でネタ探しをさせたところ、全く関係ない本を読み始めて叱られつつも、「電気が通るものと通らないもの」に決定。
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通電すると豆電球が光る簡易テスターを作ることになったので、渋谷のハンズで材料を調達。
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ついでにハンバーグ食ったりタピオカ食ったりして元気付け。「勉強は楽しい」という記憶を強化するためのチートである。
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家に帰って、テスターの組み立て。電池と電球を導線でつなげると電球が光るという事実だけでそこそこ感動していた。フィラメントが電気抵抗で熱くなって熱放射で光るという話と、電池を直列させると電圧が上がって明るさが増すという話をしてみたら珍しくちゃんと聞いてくれた。
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各々の実験対象をつなげて光るかどうか調べていく。その結果を通じて、電気が通るものと通らないものの差異と各々の共通性について気づいてほしいところだ。なので、「大雑把に言って、鉄とかの金属は光るけど、木や紙などの非金属は光らないみたいね」、と聞こえよがしに呟いてみたが、どうやら彼女はそういう思考はしないらしい。実験報告のまとめで、「10円玉や100円玉は光るのに1000円札は光らないのが意外だった」と書いてあって脱力した。
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参考にした本には、真水は通電しないけど塩水は通電するのを確認するように書いてあったが、乾電池2本と塩水で電球を光らせることは難しかった。3Vじゃ弱いのか、電池がへたったのかと思って、父の威厳を発動して4.5Vに強化した「スーパーテスター」を提供してみたが、それでも光らなかった。ただ、よく見ると、塩水の場合だけ端子のところが泡立っているのが視認できたので、「ヘイヘイこれが電気分解だぜどうだ父さんすごいだろう」的なことを言ってお茶を濁した。
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おまけ。Z会の課題で、豆乳とにがりで豆腐を作るというのもやってみた。結果としては、熱を通しすぎて湯葉みたいになってしまった。温度管理とかにがりの濃度管理がすげー難しい。失敗したけど、プロの豆腐がいかに優れているかを伝えられて逆によかったかも。
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そもそも何で実験をしないといけないのかというとそれは仮説を検証するためなわけだけど、子供の自由研究においては、まともな仮説を立てないで実験だけして観察結果を列挙するという体裁になりがちだ。しかし、現状ではそれでもいいかなと思っている。電気という概念があることと、条件を変えるとその挙動が変わって面白いということだけ体験してくれればいいかなと。

質はともかく、これでやっと宿題が全部終わった。来年は下の子の分と合わせて2本やるわけで、スケジューリングが大変そうだ。子育てこそが20年がかりの自由研究だなあとふと思った。