豪鬼メモ

一瞬千撃

成田空港の中にある謎の神社

成田空港の敷地に囲まれた飛び地のような神社があるという話を聞いて、行ってみた。噂に違わぬ、不思議な風景がそこにあった。


出張では主に成田空港を利用するわけだが、午後便だとだいたい空港に早く着きすぎて時間を持て余す。そんなときにいつか行ってやろうと思っていたのがこの東峰神社だ。かつては航空産業の発展を祈願した航空神社であるとともに、成田空港の設置に関わる過激派の闘争の舞台となった場所でもあるらしい。地図の形からして香ばしさが伝わってくる。そのあたりの薀蓄を述べたブログはいっぱいあるのでググレカス


実質的に成田空港の中にあるといっても、空港第一ターミナルからは徒歩で45分もかかる。それを知ってちょっと躊躇ったけど、頑張って歩いてみた。管制塔以外には特に面白いものがないところをひたすら早足で歩く。警備員がいるゲートみたいなのが途中にあって通れるのかどうか一瞬迷うことがあるも、普通に通り抜けてどんどん進むべし。



この神社は過激派の聖地的な扱いになっているらしく、近づく者は高確率で警察に職質されるとのこと。そう聞くとちょっと心細くもなってくるが、Google Mapsを頼りにどんどん進んで行く。確かに人気が全然なくなってきた。過激な看板の後ろに元気に飛行機がタクシーしてる姿が物悲しい。


南北の滑走路をつなぐ橋の下の東峰トンネルを抜けると、いよいよ飛び地っぽい雰囲気になってくる。このトンネルは飛行機が上を通って行くのが見られてちょっと新鮮。



ここまで来ると監視の対象になってくるらしく、なるほど警察車両が私の周りを徐行しては去って行くではないか。挑発的にみられても面倒なので撮らなかったけど。


東峰神社って看板がおもむろに出てきて、心踊る。「この先行き止まり」が意味深に思えてくる。


そして、塀に囲まれた、ウィザードリィとか女神転生っぽい雰囲気の道をずんずん進むと、ついに出て来る東峰神社。しかし 、ボスはいない。つか、誰もいない。轟音の合間に、トランシーバで誰かが話す声だけがかすかに聞こえる。




特に特徴のない鳥居と小さな祠があるだけなんだけど、敵対的な雰囲気の白い壁に囲まれてしかもその上に大量の監視カメラが置いてあるというのは異様な風景だ。




そして、しばらく待っていると、豪快に飛行機が上を通って行く。でかい。近い。こんな構図はここでないと撮れないぜ。持っててよかったBCL0980。たのしー。どんどんいろんな飛行機が飛んできて祭りのようだ。ひとりぼっちでしかも監視されてるけど。




まあ、そんだけ。暇つぶしとしては十二分に楽しめた。飛行機と神社っていう取り合わせの妙と、警察に監視されてるドキドキ感が中二病心をくすぐる。まあ結局職質されなくて、ナンパ待ちに失敗したみたいな寂しさとともに帰路についたけど。善良なオーラが出すぎてるのかな。

問題は、やたら遠いことである。第一ターミナルから徒歩だと往復で90分、滞在時間30分、職質されたらプラス20分と考えると、それだけで合計2時間20分。事前にチェックインして荷物を預けるのに20分、搭乗40分前には空港に戻っていたいとして、全部で3時間20分。そんなわけで、搭乗3時間半以上前に空港に着いた場合にのみこの遠足はおすすめできる。でも、行って損はないと思うので暇人なら是非。飛行機がめちゃ近いので、換算20mm以下の超広角レンズが必携。家族や友人を連れてきて、飛行機を食べたり指でつまんだりするトリック写真を撮るともっと楽しいはず。