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豪鬼メモ

一瞬千撃

オリンパス機用Lightroom現像設定最終版

この数日、暇を見つけてはLightroomの現像設定をいじっていたが、そこそこ満足するものに行き着いた。この絵だ。赤すぎず緑すぎず青すぎず派手すぎず。
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行き着いた設定を示す。これをAdobe for Olympus設定と呼ぶ。

  • BasicコラムのContrastを+5。
  • BasicコラムのHighlightsを-10。
  • BasicコラムのShadowsを+15
  • Camera CalibrationコラムのProfileはデフォルトのAdobe Standardのまま。
  • Camera CalibrationコラムのRed PrimaryのHueは0のまま。
  • Camera CalibrationコラムのGreen PrimaryのHueを+6。
  • Camera CalibrationコラムのBlue PrimaryのHueを-8。

この設定はあくまでバッチ処理で適用するものだ。おそらく95%以上の作例に関してはこの結果を保存することになるだろう。特に気になった5%の写真は別のプリセットを試したり、これをベースにExposureを上げて明るくしたりContrastやClarityを上げてくっきりさせたり、Shadowsを上げて影の部分の視認性を上げたり、Vibranceを上げて派手な発色にしたり、Tempartureをいじって印象を変えたりするかもしれない。その5%に注力するためにも、95%を自動処理することが重要なのだ。

ところで、私は軟調気味の現像設定が好きだ。コントラストを増して主要被写体を引き立てるのもいいが、画面に映る様々な物体を視認しやすい仕上げの方がいろいろ発見があって面白いことが多い。露出が最適でなかったとしても何が写っているかわかる絵になる。さらに、TIFFで保存するにしろJPEGで保存するにしろ、軟調にしてダイナミックレンジを広めに取っておいたほうが、再加工に強い。

ProfileをAdobe Standardにするだけで軟調気味な印象になるのだが、もうちょい軟調に仕上げるために、Highlightsを下げてShadowsを上げている。白とびっぽい部分や黒つぶれっぽい部分が発生しにくいようにしたい。ハイライトが飛ばないようにちょっと露出控えめにして撮影することがよくあるが、その場合でもシャドウを持ち上げておくことは利点になる。Shadowsの方が調整値が大きいのは、コントラストが大きいシーンでは露出を下げて撮影するという私の習慣に合わせた対応である。HighlightsやShadowsは文字通り白飛び付近と黒つぶれ付近を重点的に調整するので、少し中心に寄せるぐらいでは全体が眠くなることはない。しかし、そもそものAdobe Standardのコントラストが低めなので、Contrastを少しだけ上げている。

色相に関しては前回までの試行錯誤での気づきを反映して設定している。結論としては、Olympus Viewerやオリンパス機の現像エンジンが出力する絵と、Adobe Standardが出力する絵は、色相が全体的にずれているということだ。オリンパスのRAWファイルをAdobe Standardで処理すると、青い空がマゼンタ寄りになり、木々の緑がイエロー寄りになる傾向がある。色相環で言うと青がプラス方向(右回り)に、緑がマイナス方向(左回り)にずれているのだ。よって、それを相殺すべく青と緑の各チャンネルの色相をちょっとだけ逆方向に振るというわけ。
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上記の色相の仮説を検証してみよう。まずはカリフォルニアの抜けた青い空をOlympus ViewerのNaturalで現像する。空の色はとても好ましい感じに仕上がっている。
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同じファイルをLightroomAdobe Standardで現像してみる。その他の設定は全てデフォルトのまま。比べてみると、空がマゼンタ寄りになっているのがよくわかる。こんな空の色は変だ。なお、Tempertureなどのホワイトバランス関連の設定はOlympusAdobeもAs Shotのままで現像している。
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色相のずれを相殺したAdobe for Olympus設定だとこうなる。空の色は、OlympusAdobeの中間ぐらいの色相になっていて、少なくともAdobeよりはだいぶ自分の印象に近い。Hueの設定値をより強くすればもっとOlympus寄りにもできるが、過補正が怖いので、中間点を落としどころにしている。結果としては、Olympusよりもさらに好ましい仕上がりになってるんじゃないかなと思っている。
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空の検証をもう一度。Olympus ViewerのNeutralだとこんな感じ。The空色って感じの色が出ている。
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Lightroomのデフォルトだとこうなる。やはり空のマゼンタ被りが顕著で、ゲームの中の世界にいるみたい。
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Adobe for Olympus設定だとこうなる。空の色は自然で見やすく、全体の明るさも適度だ。バス前面のオレンジ色のLEDライトを見ると、Lightroomのハイライト処理のうまさがよくわかる。Olympusだと白っぽく色褪せているが、Lightroomでは鮮やかな色を残している。
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肌色はどうなるか。Olympus ViewerのNeutralだとこんな感じ。私の記憶よりちょっと赤っぽい感じがするが、白熱灯が主な光源なのでまあこんなもんかなという気もする。
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Lightroomのデフォルトだとこうなる。こちらは、緑寄りになって、黄色い印象になっている。
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Adobe for Olympus設定だとこうなる。ちょっと肌に赤みが戻って、やはり三つの中で最善と思える仕上がりになっている。いけるぜAdobe for Olympus設定。
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食べ物だとどうか。Olympus Viewer。この例は曇天の屋外で撮影したものだが、色もコントラストもばっちりでうまそうだ。
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Lightroomのデフォルト。肌と同じ傾向で、両者を比べるとOlympusは赤くてAdobeは黄緑っぽい仕上がりになる。
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Adobe for Olympus設定。赤みがほんのり戻って、うまそう。これも三つの中で最善である。
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イチョウの葉の鮮やかな黄色。Olympus Viewerだと、ちょっと赤すぎる印象。
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Lightroomだと、ちょっと緑すぎる印象。
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となると、Adobe for Olympus設定はちょうどいい感じになるはず。どんぴしゃり。
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黄緑のある風景。Olympus Viewer。特に文句のない仕上がり。
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Lightroomのデフォルト。青がプラスで緑がマイナスにずれる傾向があるということは、シアンに近い色が出にくいということでもある。この例の場合は黄色方向に引っ張られている葉っぱが目立つ。
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Adobe for Olympus設定。こちらもOlympusAdobeの中間で、偏りのない好ましい印象になった。
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空と緑。Olympus Viewer。空が強烈にシアン被りしているように見える。実際の空はここまでではなかったような気がする。
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Lightroomのデフォルト。Olympusに比べると、空がマゼンタ被りなのは明らかで、緑はほんのちょっとだけイエロー寄りだ。
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Adobe for Olympus設定。デフォルトよりはマシだが、まだ空がマゼンタ被りした感がある。この例ではOlympusもシアン被りの感があるので、Adobe for Olympus設定と痛み分けといったところか。色相の調整だけでOlympus風のシアンを出す設定にするのは副作用が大きすぎて現実的でない。ColorsでBlueを選んでシアン方向に振るしかなさげ。
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赤いカラーコーン。Olympus Viewer。赤い部分のRGB値は#A8512B。Hue値は18。
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Lightroomのデフォルト。赤い部分のRGB値は#AD4716。Hue値は19。ということで、赤の色相はあまり変わらないっぽいことがわかる。
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Adobe for Olympus設定。赤い部分のRGB値は#B54919。Hue値は18。色相は変わっていないが、彩度がちょっと上がった。青のHue調整でマゼンタ方向に引っ張られても緑のHue調整でイエロー方向に引っ張られる綱引きの結果、ほぼ同じ位置を維持するのは期待通りだ。
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コントラストの高い風景。Olympus Viewer。暗部の色が褪せている以外は文句のない発色。
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Lightroomのデフォルト。全体的に彩度が低いので違いがわかりにくいが、日陰なので空からの青い光を多く返している地面の色を比較すると、やはりOlympusがマゼンタ寄りでLightroomはシアン寄りなのがわかる。緑の発色はあまり変わらない気がする。
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Adobe for Olympus設定。暗部を持ち上げて見やすくなっているおかげでこの例が最も好ましいことは間違いないが、色相の効果はほとんどわからない。
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RGB三原色のある風景。Olympus Viewer。鮮やかな発色。
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Lightroomのデフォルト。青はマゼンタ寄りに、赤はイエロー寄りに、そして緑もイエロー寄りになっている。
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Adobe for Olympus設定。こちらも、戻し効果は青と赤で確認できるが、緑の芝生の色はあんまり変わっていない。派手なOlympusに比べてLightroomの二つ仕上げはパッとしないけれど、忠実性という意味ではやはりAdobe for Olympus設定が最善のような気もする。
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なお、この例に限っては、Adobe for Olympusをベースに、BasicコラムのSaturationを+10、Green PrimaryのHueを-20にしてみると、Olympus Viewerとそっくりになる。
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海と空と緑のある風景。Olympus Viewer。日が傾いて黄味をおびてきた空の色は確かにこんなだった気がする。ただ、手前の人物の袖や背番号が色飽和してCGみたいになっちゃってるのは残念だな。
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Lightroomのデフォルト。空のマゼンタ被りと緑にイエロー被りはあるが、悪くない描写だと思う。色飽和も軽減されている。
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Adobe for Olympus設定。例によって中間的な描写で、いいとこ取りになっている。
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ところで、前回はLightroomのCamera ProfileのMutedをベースにする作戦も模索していたが、それは諦めることにした。Saturationをいじると副作用が大きすぎるからだ。この作例だとわかりやすい。まずはOlympus Viewer。
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次にLightroomのデフォルト。両者とも悪くない結果だが、Olympusの方が肌に生気があって好ましい気もする。
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Lightroom上でOlympusの結果に近づけるべく、Camera CalibrationのProfileをMuteにしてから調整する案もあった。Muteにして赤みを増し、赤すぎるのを相殺するためにRed PrimaryのSaturationを低くして、それによる彩度低下を相殺するためにBlue PrimaryのSaturationを高くするのがOlympus Anti Red設定だ。しかし、見るとわかるように、肌の色味は均衡を保っているものの、衣服のピンクや壁掛けの赤が色褪せて破綻した感じの絵になってしまっている。睡眠薬と眠気覚しを同時に摂取するような危うさ。この方向は諦めることにした。
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そして真打、Adobe for Olympus設定。安全安心の仕上がりである。
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いろんな作例で試してみて、Adobe for Olympus設定が多くのケースでLightroomのデフォルトより好ましい結果をもたらすことがわかった。色相環のことを考えながら調整するというのが重要っぽい。空の青、衣服の赤、木々の緑、人肌の橙あたりへの影響をひとつひとつ見て整理すべきなのだ。とはいえ、もっと厳密にやろうとするなら、カラーチャートを撮影してからRGB値やHSL値の比較をして微調整すべきだ。

おそらくAdobeが最も自信を持って調整してきているAdobe Standardは、多くのケースで様々な色をうまいこと処理してくれることが期待できるので、それをベースにするのは合理的な判断だと思う。一方で、Olympus用のCamera Profileにはあんまり工数を割いていないのかもしれない。NaturalもMuteも赤すぎるだろJK。他のメーカー用のプロファイルはどうなんだろうか。ソニー機とかでも試してみたい

概して良い結果を残すAdobe Standardだが、オリンパスのデータの現像に関しては本家であるOlympus Viewerに比べると色相がずれた感じになる。それを直して、あとついでにコントラストをちょっと調整してやると、とってもいい感じの絵が出てくる。私のユースケースでは95%以上の確率で満足する結果を出しそうなので、バッチ処理の標準レシピとしては上々だ。ともかく、謎がやっと解けた感じがして、今日はよく眠れそうだ。