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豪鬼メモ

一瞬千撃

魚眼レンズと色収差

オリンパスのレンズキャップ魚眼レンズBCL-0980を気に入って使っている。極端にチープな作りだが、その素朴なところがいい。そして予想外にちゃんと写るので、街歩きが楽しい。だが、やはり気になるのは色収差だ。画面周辺部にハイコントラストな被写体がある場合に出る赤や青や緑や紫の滲みが目立つことがある。そこさえクリアできていれば天国に行けるのに!

さて、色収差には軸上色収差と倍率色収差がある。軸上色収差は大口径レンズで発生しやすいが絞ると解決するそうで、そもそも絞りF8固定のBCL-0980では問題になりにくいと考えられる。一方で倍率色収差は絞りにかかわらず発生し、画面端になるほど顕著になるのだが、それはまさにこのレンズで撮った写真で見られる問題だ。魚眼レンズだと同心円方向にコントラストができやすいので、この問題は全作例の半分以上で目に付くというのが私の経験則である。しかし、希望もある。倍率色収差は軸上色収差に比べて後処理で補正しやすいのだ。RAWで撮っておけば、現像時にRGBの各チャンネルの画像の倍率を変えてから最終的なカラー画像を合成することで、倍率色収差をほとんど目立たなくすることができるらしい。やってみよう。

まず未修正の写真を見てみる。画面左上にある建物の庇の淵に、盛大に紫のフリンジが出ている。さらに蜘蛛のオブジェの足の各々には、画面中心に近い方に赤の、遠い方に青のフリンジが出ている。その他、画面に至る所に色ズレが見られ、全体的にボヤけた感じになっている。
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Olympus Viewer 3にて現像する際に、倍率色収差の修正機能を設定してみると、このような結果が得られる。左上の紫のフリンジが見事に消えているし、その他の場所の色ズレもほとんど目立たなくなっている。そして全体として解像感も上がり、すっきりとした写真に仕上がっているではないか。素晴らしい。。
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倍率色収差を修正するには、現像の際にEditモードで、RAWのタブを選んで、Aberration Comp.のスライダーをいじる。BCL-0980のパンフォーカスで撮った場合、Red/Cyanスライダーを-45に、Blue/Yellowスライダーを70にするとだいたいOK。最適な値はレンズ毎やピント位置毎やライティングの状況によって異なってくるので試行錯誤で探る必要があるのだが、このレンズによる写真では-45と70でほとんどの場合で満足できる結果になる。
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わかりやすいように拡大した比較も出しておこう。完全ではないにしろ、かなりきれいに補正されていることがわかる。
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Before/Afterの例をもう少し挙げてみよう。ブログサイズでも画面端を見れば違いがわかる。たとえフリンジを認識しなかったとしても、全体的なモッサリ感とスッキリ感の違いは感じられることだろう。
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木の枝や葉っぱの周りも色収差が目立ちやすいのだが、それを除去すると本当にすっきりする。
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もしもこのレンズに電子接点があって画像エンジン側でレンズを認識してプロファイルを使った補正ができていたなら、もっと評価されていたに違いない。ちゃんと補正すると小枝まで解像して見えるレンズなのだ。とりあえず現状でできることは、なるべくRAW撮りしておいて適宜補正をすることだけだ。batch processing fileを作っておいてexportの際に指定すれば補正を一括で指定できるので便利だ。でも正直それすらめんどくせーよな。