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豪鬼メモ

一瞬千撃

レンズ毎の特性値

レンズ毎の画角と快適距離と被写界深度とコサイン誤差を考えてみた。

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マイクロフォーサーズのレンズをいつの間にやら4本も持っていて、どのレンズも良い写りをするなぁと満足している。基本的に顔認識AFとかタッチAFとかでお気楽に撮っていて、それで合格写真(長期保存するに足るもの)のヒット率も悪くない。どのレンズを使ってもそれなりの写真が撮れるのだが、シーン毎にどのレンズを持っていけばよいだろうか。漠然と画角だけを考えるのではなく、その他の特性もきちんと把握した上でレンズを選びたい。

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画角と快適距離と被写界深度

そこで、持っているレンズの特性値を表にしてみた。画角はこのサイトで確認できる。また、ここで言う「快適距離」とは、高さ1mのものが垂直画角一杯に入る距離である。つまり、子供の身長をだいたい1mとして、画面を横にすると上半身のポートレートが快適に撮れて、縦にすると全身のポートレートが快適に撮れる距離だ。すなわち、0.5 / tan(垂直画角/2) だ。さらに、その距離での被写界深度も見てみる。被写界深度の計算にはこのサイトが便利かな。

レンズ 水平画角 垂直画角 対角画角 快適距離 F2.0深度 F2.8深度 F4深度
14-42mm
F3.5-5.6EZ
63.4° 49.8° 75.3° 1.07m 0.40m
(0.90-1.30)
0.58m
(0.85-1.43)
0.89m
(0.78-1.68)
17mm
F1.8
53.9° 41.8° 64.9° 1.30m 0.39m
(1.13-1.52)
0.57m
(1.07-1.64)
0.85m
(1.00-1.85)
25mm
F1.8
38.1° 29.1° 46.8° 1.92m 0.39m
(1.74-2.13)
0.56m
(1.68-2.24)
0.82m
(1.59-2.41)
45mm
F1.8
21.7° 16.4° 27.0° 3.46m 0.39m
(3.27-3.66)
0.55m
(3.20-3.75)
0.79m
(3.10-3.90)

25mm(換算50mm)のレンズをつけて子供を撮る場合、だいたい2mくらい離れるつもりになるといいっぽい。そうすると絞りがF2.0でも40cmほどの被写界深度があるので、顔全体が深度内に収まるといって良い。それだけ余裕があるとAFで適当に撮ってもあまり失敗しない。2mというと畳の縦1枚ちょっとということになるので、テーブル越しの人物を撮るには向かない。テーブル越しや狭い室内の場合には快適距離が1.3mである17mmの方が便利だろう。

面白いのは、快適距離における被写界深度焦点距離を変えてもほとんど変わらないということだ。望遠ほどぼけやすいというのは被写体が同じ距離にある場合には当てはまるが、被写体が同じ大きさになるように距離をとった場合には、ボケの度合いはF値だけで決まると考えてよい。ただし、ピント範囲内でのピント中心の位置が焦点距離毎に異なる。前後の比率で言うと、14mmでは0.73:1、17mmでは0.77:1、25mmでは0.85:1、45mmでは0.94:1となる。つまり焦点距離が長いほど後ボケしやすいということになる。普通は被写体が前面にあって背景をボカすので、焦点距離が長いほどボケやすいというのはその意味では間違いではないっぽい。実感としても、やっぱ17mmより45mmの方がボケる。

上半身のアップを撮りたい時は快適距離が半減する。 25mmをつけているなら1mくらいか。その場合はF2だと深度が10cmしかないので、顔より後ろはだいぶボケボケっとしてくることになる。個人的にはあんまりボケボケっとしてない方が好きなのでむしろF4.0とかに絞ることが多い。

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コサイン誤差

マイクロフォーサーズでF1.8クラスのレンズを使っていて、さらに快適距離で撮っているなら、AFに任せても被写体が深度内に収まった写真が撮れることが多い。一般的な用途で必要十分なスペックのカメラとレンズを提供するというバランス感覚が素晴らしい。それはそうと、せっかくカメラに慣れてきたところだし、わざわざファインダーのついたE-M10を持っているので、違う撮り方もしてみよう。

レフ機やレンジファインダー機の使い手がやるような、中央付近の測距点でフォーカスした後にカメラを振って構図を整えて撮る方法だ。ミラーレス機だとAFの測距点が画面全体にあるし、MFするにしても画面内の任意の部分を拡大したりピーキング色づけ機能などの補助があるので、カメラを振る方法は基本的に必要ない。けど、タッチや十字キーでポインタを動かすよりも、ファインダーを覗いてカメラを振る方法の方が没入感があって楽しいという噂もある。

カメラを振る撮り方でよく話題になるのが、コサイン誤差である。フォーカスの中心(像面)はレンズの光軸と垂直な(すなわちセンサーと平行な)平面なので、画面中央で距離を合わせてから像面を傾けると、結果的に後ピンになる。すなわち主要被写体が手前にずれてピンボケになってしまう。実際の像面の距離は、最初の距離に振った角度のコサインを掛けたものになる。具体的な値はこちらのサイトで簡単に計算できて便利だ。

ここで、三分割構図の分割線交点の位置に主要被写体を置くケースを考えてみる。その場合、対角画角の1/6だけカメラを振ることになる。その場合のコサイン誤差は被写界深度に収まるのだろうか。

レンズ 対角画角 三分割角 快適距離 F2.0深度 コサイン誤差
14-42mm
F3.5-5.6EZ
75.3° 12.9° 1.07m 0.40m
(0.90-1.30)
0.0112m
17mm
F1.8
53.9° 8.98° 1.30m 0.39m
(1.13-1.52)
0.0096m
25mm
F1.8
38.1° 6.35° 1.92m 0.39m
(1.74-2.13)
0.0069m
45mm
F1.8
21.7° 3.61° 3.46m 0.39m
(3.27-3.66)
0.0039m

25mm(換算50mm)のレンズをつけて子供を撮る場合、7mmほどずれるということになる。手前17cmまでは深度内であることから、ほとんど気にしなくていいということがわかる。カメラを振る場合には瞳でなくて睫毛にピントを合わせるとかいう便法も成り立ちそうだが、カメラを振った時点で手が7mm以上動く可能性が高いので、細かいことを気にしてもあまり意味は無いだろう。そもそも厳密にピント合わせしたかったら測距点を動かすべきなのだから。

コサイン誤差は焦点距離が短いほど影響が大きいのは明白である。広角ほどカメラを振る角度が大きくなるのに加えて、広角ほど前方の被写界深度が狭いからだ。なので、カメラを振る方法は望遠寄りの場合に適しているだろう。実際、写真スタジオで子供を撮ってもらった時には、カメラマンはかなり長い望遠レンズを使ってリズミカルにカメラを振りまくってた。

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まとめ

レンズ毎の特性値を覚えておくといいことがあるかもしれない。適当に撮ってもピンボケしずらいのはやはり広角寄りのレンズで、カメラを振って構図を調整したりMFでピントを追い込んだりして立体感を出して楽しむのは望遠寄りのレンズということになるだろう。よく言われる使い分けではあるが、数値にしてみると実感しやすい。そして、M.Zuiko 25mm F1.8なら、2mくらい離れると子供が撮りやすく、被写界深度もF2.0でちょうど良い。2mという距離は幼児や児童との距離感としてはちょうどよいのではないかな。そして25mmならフォーカスしてからカメラを振る撮り方をしても全く問題ない。余裕があるときは、MFでいろいろ構図を試して楽しみたい。

鞄に全部のレンズを詰め込んで出かけるのもいいが、割り切って一本だけつけていく方が格好いいというか、割り切って動くので結果的によい写真が撮れるような気がしている。単焦点かわいいよ単焦点

OLYMPUS 単焦点レンズ M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8 シルバー

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