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豪鬼メモ

一瞬千撃

オリンパスOM-D E-M10購入

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購入動機

誕生日プレゼントとして好きなカメラを買っていいと言われたので、ついにデジタル一眼カメラを買ってしまった。レフレックスや光学ファインダのない、いわゆるミラーレスカメラを買おうと思って各社の最新機種を検討したが、最終的にオリンパスのOM-D E-M10に落ち着いた。


ファインダーはあまり使わないので、PEN E-P5でも良かったのだが、E-M10の画像エンジンからは倍率色収差の補正機能が入ったということで、色収差が嫌いな自分はE-M10を選ばざるを得なかった。買った今となっては、ファインダもあってよかったなと思っている。既に持っているソニーのCybershot RX100も優れたカメラなので、わざわざ買うなら違うタイプのカメラを選びたかったのもある。

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ピンぼけと手ブレの対策

機種選定にあたり、現行の各機種のカタログやレビュー記事を読みあさり、店頭で触ったりもして、悩みに悩んだ。スペックとしては、AFが高速で手ブレ補正が強力なものを最優先した。ピンぼけと手ブレが失敗写真の原因の最大のものだからだ。オリンパス機の5軸手ブレ補正の評判がよく、E-M10は3軸だが同等の性能があるとのこと。そしてAFも高速との評判。店頭で触ってみた感じでもそれらの評判は当たっていそうだったので、購入に踏み切った。

ところで、オリンパス機はシャッタースピードが1/80秒から1/250秒くらいの中速域でシャッターショックによる微ブレが発生するという噂を読んだので心配していたが、購入してみてそれは杞憂だとわかった。既に2週間ほど使っているが、キットレンズの広角端(14mm)はもちろん、望遠端(42mm)で使っている時でも、シャッターショックによる微ブレだと思える写真はまだ1枚もない。やはり、きちんと構えないで撮った写真は手ブレ補正があったとしても本来の手ブレによって微ブレどころでなくブレるし、きちんと構えて撮った写真は全くと言っていいほどブレない。シャッター微ブレをわざと起こそうとしてクッションなど不安定な場所に置いてセルフタイマーで撮ってみたりもしたが、視認できるブレはどうしても再現できなかった。

ネットで見かけた「フラッシュ同調の最低速度の設定がフラッシュを使っていない場合にも効くので実質的に下限シャッター速度の設定ができる」という裏技は、本機でも使えるようだ。これは子供を撮る身にとっては福音である。下限シャッター速度が設定できるというだけで富士のXシリーズに気持ちが傾いたくらいだから、オリンパス機でもそれができるというのは世の皆様に知ってほしいところだ。というより、素直にISOオートの設定として「下限シャッター速度」という項目を設ければいいのにと思う。

個人的にはAモードで上記の裏技を使ってシャッター速度下限を1/100くらいにすることが多く、それはまさにシャッターショック微ブレを発生させやすいと言われていた速度なのだが、全くブレない。Sモードと違って、明るすぎればシャッター速度をきちんと上げてくれるし、暗すぎて感度が設定値(ISO=1600)を超えるとちゃんとシャッター速度が遅くなるので、「事前に設定した絞りで最善の画質を得る」ということがフルオートで達成できる。

しかも、そういった撮影意図毎の設定の組み合わせをマイセットで登録できるのが秀逸だ。この類の「カスタム設定」機能は多くのカメラにも搭載されているわけだが、メニューからマイセットを実行して現モードでのモード以外の設定を上書きすることもできるし、モードダイアルに割り当ててモードも含めて設定変更できるというのが非常に便利だ。例えば、普段は上述の「子供撮り用セット」(Aモード、下限SS=1/100、その他諸々の画質設定)をモードダイアルのビデオに割り当てて使うが、晴天・昼間・屋外の条件が揃った場合はAモードだとSS=1/4000の限界を振り切ることが多いので、Pモードに切り替えてから「子供撮り用セット」を呼び出すといったことが簡単にできる。マイセットにはFnボタン等の割当てまで記録されるのも嬉しい。いろいろ設定を変えてわけがわからなくなった場合にもマイセットを呼び出してすぐに戻れるというのもいい。

ただ、「半押し中手ブレ補正」など、マイセットに登録されない設定項目があり、そしてマイセットに登録されるかどうかは紙のマニュアルを見ないと判断できないので、慣れるまでは当惑することがあった。というか、なぜ「半押し中手ブレ補正」が登録されないのか意味がわからん。その半押し中手ブレ補正だが、有効にするとシャッター半押し中に手ブレがピタッと治まって構図の確認がしやすくなるのだが、逆に構図の変更と手ブレの区別がつかなくなるので構図の変更がしづらくなってしまう。特に水準器に合わせて角度を微調整する際に不便。よって、手ブレが激しくなる望遠域のレンズを使う場合以外には半押し中手ブレ補正は無効にしておいた方がよさげ。無効にしておいた方が半押し中にセンサーがニュートラルな位置に保たれるのでシャッター押下時の手ブレ補正の能力が最大化されるという話もあるし。

子供撮りという観点では、タッチシャッターやタッチフォーカスが非常に役立つ。小さい子供を撮影するということは、子供と自分が遊びながらということになるので、じっくりファインダーを覗き込む暇がない。そして子供は常にうろちょろするので、構図とピントを瞬時に決めてカメラを操作するには、タッチシャッター以外の選択肢はない。本機はAFの速度も精度も素晴らしく、そして手ブレ補正も強力なので、タッチシャッターというスタイルが非常にとりやすい。タッチシャッターの有無も富士機やソニー機と比較検討する際に重要だったし、そして実際に使ってみてやはりタッチシャッター付きを選んでよかったなと思っている。妻に渡した時にきちんとピントの合った写真を手短に撮ってくれるというのも嬉しいところだ。顔認識AFも有効にしてあって、正面からアップを撮る場合にはほとんど正解してくれるので、単にシャッターを押すだけで済むことが多い。

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電子ビューファインダ

暗い状況(室内や夜)では、F1.8のレンズであっても、SSを1/100よりも遅くしないといけないことが多くある。その場合にはEVFを使う。室内や夜だと昼の屋外に比べて子供もおとなしい状況であることが多いので、EVFをじっくり見る余裕があることが多い。

EVFの画素数がE-M1や富士のX-T1より劣るというのは購入前に気にかかっていた点だが、個人的には144万画素は必要十分だ。解像度はE-M5と同等だが、リフレッシュが早いのでキビキビした印象がある。倍率(視野)も構図を確認するのに丁度いい。MF時には拡大機能を使えばピントの山も問題なくつかめる。もちろんE-M1やX-T1と本機を交互に見ると精細さに劣るのを実感するが、実用上は全く問題ない。

EVF使用時にはフォーカスポイントの移動は十字キーで行う。十字キーでいきなりフォーカスポイントの移動ができるというのもオリンパス機のアドバンテージだ。ソニー機や富士機だと、どこかのボタンを押してフォーカス移動モードになってから、十字キーで移動するという手順になる。このワンテンポかかるのが地味に面倒で、いわゆる日の丸構図の写真ばかり撮っていたが、本機を買ってからいろいろ構図のパターンを変えて撮影を楽しむようになった。フォーカスを合わせてからカメラを振って構図を変えるという技もあるが、動きまわる子供が相手だと現実的ではない。やはりフォーカスポイントの移動がやりやすいというのは重要だ。

細かいことだが、E-M5に比べて十字ボタンを押した感じが快適だ。防塵防滴じゃなくなっているというデメリットはあるが、最もよく使うボタンが押しやすいというのは重要である。X-T1に見られるようなアナログ風な操作体系も面白いが、マイセットを基軸としたデジタル的な操作感の方が素人には使いやすい。

あと、マイセットでフラッシュは常に強制発光にしておくと便利だ。そうすると、フラッシュが使いたい時にはボディのボタンを押してフラッシュランプをポップアップするだけで良い。そうしておかないと、逆光時の補助光などでフラッシュが使いたい時に、ポップアップボタンとフラッシュ設定のふた手間になってしまうので苛つく。わざわざランプをポップアップさせてるんだから発光させたいに決まっているのだ。

子供撮り用マイセットでは、AF方式をコンティニュアスAFかつフォーカス優先(レリーズ優先Off)かつ低速連射にしている。フォーカス優先が設定できる本機ではシャッター半押しをする必要が基本的にないので、いきなり全押しするようにすればシングルAFもコンティニュアスAFも変わりはない。しかし、いきなり全押しすると手ブレしそうな気がして、半押ししてから全押しする癖がついてしまっていて、その場合にはコンティニュアスAFの方が動く子供への追従性が高い。各シーンで3枚くらい撮っておけばまともなのが残ることが多い。追尾コンティニュアスAFは正直使えなかった。追尾だとフォーカスポイントが突然ワープすることが多すぎる。

マイセットとしては静物用のがもうひとつ登録してあって、そちらではAF方式がシングルAF+MFで、感度をオートでなくISO200固定にしている。また、ドライブモードは連射でなく単射にして、顔認識AFは無効にしている。EVFを覗きつつ、AFで大まかに合わせてからピントリングを回して拡大ピーキングでピントを追い込むというジジ臭い作業がたまに楽しい時がある。写経して心を落ち着ける的な感じ。ISO200だと暗いところではSSが1/10秒とかになるが、EVFで静物を撮るなら手ブレ補正のおかげで全くブレない。

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その他操作系

E-M1やE-M5と同様のツインダイヤルも使いやすい。前後の2ダイヤルを使って、Aモードなら露出補正と絞り変更、Sモードなら露出補正とSS変更、Pモードなら露出補正とプログラムシフト、MモードならSS変更と絞り変更ができる。フォーカスポイント移動の次によく使うのが露出関係のパラメータ変更なので、それらをメニューを介さずに直接変更できるのは重要だ。RX100と違って、MモードでISOオートが使えるのも素晴らしい。惜しむらくは、その際に露出補正ができないことだ。「マニュアル露出設定」モードなのに「オート露出」の補正をするなんて矛盾するようだが、そもそもISOオートな時点でマニュアル露出じゃなくなっているので、「SAモード」とでも呼べばいいのに。実際リコー機だと同じコンセプトの「TAvモード」とかいうのがあるし。Mモードだと2つのダイアルが既に使われているから露出補正を割り当てるダイアルがないのだが、マルチファンクションキーに露出補正を追加すれば実現できるだろう。今後に期待。

マルチファンクションキーとは、シャッターボタンの横の小さいFnボタンを押すとダイアルの機能が一時的に切り替わる機能だが、これで有効にできる「ハイライト&シャドー」設定もかなり好きだ。コントラストの上げ下げをハイライト側とシャドー側に分けて設定できる機能なのだが、状況に応じてうまく使うと、全体の明暗の印象をあまり変えずに黒潰れや白飛びを救うことができることがある。例えば子供の顔が木陰に入っていて見づらいが、露出補正をプラスにすると空が飛んでしまうという場合、シャドーだけを上げてあげれば救えるかもしれない。所詮センサーのダイナミックレンジ以上のことはできないけれど、撮影時に画作りも決めなきゃならないJPEG撮影派には嬉しい機能だ。

十字キーの真ん中のOKボタンを押すと出てくるようにできる「LVスーパーコンパネ」もかなり便利だ。設定項目の一覧からタッチまたは十字キーで対象を選べるので、顔認識のオンオフとかいった細かい設定も短時間で変えられて便利。対してデフォルトの「LVライブコントロール」は初心者に配慮した感じのUIなのだが、実際には全くもって使いにくい。LVスーパーコンパネの方をデフォルトにすべきだと思う。

カラークリエータ、アートフィルタ、HDR、フォトストーリーなどの特殊効果系の機能はまだあんまり使いこなせていない。HDR機能は個人的に大好きなのだが、本機が出してくる画はあんまり好みでなかった。ただもうちょい工夫すれば好み設定が見つけられかもしれないが。なんとなくだが、明暗差が通常のダイナミックレンジに収まるような場合にHDRをかけてしまうと、やたら明るめでコントラストの低い画が出てくるような気がする。つまりHDRのさじ加減が賢くない。この点ではオートで強度を設定できるRX100の方が好みかな。HDRはなぜかLVスーパーコンパネから有効にできないので、HDR好きの人はFn1ボタンかRecボタンあたりに割り当てるといいかもしれない。自分はFn1はExテレコン、Recは普通に動画ボタンとして使っているけれど。そういえば、削除ボタンがなぜかカスタマイズできないのがもったいない気がする。これを顔認識のオンオフに割り当てられたら嬉しいのだが。

Exテレコンもなかなか使える。これは2倍のデジタルズームをしつつ画素補完で解像感を保つ機能だが、低感度であれば画質劣化がそんなに感じられないのがすごい。光学ズームの望遠側が足りないからデジタルズームしたい場合とか、単焦点レンズでより遠くを撮りたい場合とか、マクロ撮影をしたいけど寄りきれない場合とかに役立つ。

凄く細かい話だが、撮影データに、AF時のフォーカスポイントの座標が記録されているのが秀逸である。閲覧時に拡大すると、フォーカスポイントの周辺に近づくようにズームインしてくれる。このおかげで日の丸構図以外でもピントの確認が非常にしやすい。しかもその座標はEXIFタグとして記録されているので、後処理の際にフォーカスポイントの周辺だけ見るとかフォーカスポイントの周辺以外をボカすといったことも可能になる。

機能的に唯一決定的に気に入らない点は、電子水準器が見づらいことだ。[----|***--] といったゲージで傾きを示すわけだが、どっち側に傾いているのかが直感的に判断しづらい。水平にしようとして逆に傾けてしまうことが非常に頻繁にある。慣れの問題かもしれないが、2週間たっても慣れない。画面下方を水準器が占めるという表示の仕方も、構図の感覚が狂ってしまうのでよくないと思う。パナでもソニーでも富士でも、画面中心に文字通り水平線で示す表示方式になっているが、そちらの方が明らかに使いやすい。せめて切り替えられるようにしていただきたい。水準器を省いてしまったα6000に比べれば、あるだけ遥かにマシだが。

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携帯性とキットレンズ

筐体の小ささも本機の特長だ。いわゆるコンパクト機に比べれば大きく、決してポケッタブルとは言えないサイズだが、肩にかけているのを忘れる程度には軽いので、お出かけの際にいつも持っていくことができる。キットのパンケーキズームレンズは本当に薄くて素晴らしい。本機とキットレンズの組み合わせだと、カメラバッグでない普通の通勤バッグにも収納できるくらいだ。また、肩に斜めがけして歩いている時にレンズに肘がぶつかることがないというのも快適だ。この点は子供と遊ぶ際にも有利である。

キットレンズ用の自動開閉キャップも素晴らしい。キャップを外してポケットにしまうというひと手間が省略されるだけで、シャッターチャンスが1.5倍くらいに広がる気がする。妻に使ってもらう際にもコンデジ感覚で手渡せるのが楽だ。

キットレンズの画角も使いやすい。35mm換算画角が28mmから42mm(水平画角65度-24度)というのは、普段使いに必要十分だ。欲を言えば24mm始まりだったら嬉しいので、パナGM1付属の12-32mmも考えたが、望遠端が短くなることも考えると一長一短だ。総合的に考えて、14-42mmはバランスの撮れたズーム範囲だと思う。

ただ、キットレンズは、画質の点では、まあ「それなり」だ。開放F値は広角端ですら3.5と暗く、絞ってもハッとするほどの解像度は得らない、ハイコントラストな部分では色収差が目につくこともある。レンズ毎のプロファイルを持っているという新画像処理エンジンをもってしても、色収差が取り切れないことがあるようだ。

率直に言うと、本機とキットレンズの組み合わせでは、画質の点では、今も使っているコンデジのRX100に劣るかもしれない。レンズの能力の限界に加えて、センサーの解像度が低い点と、ローパスフィルタレス化によってモアレが出やすくなっている点と、そして画像処理エンジンの補正が徹底していない点で、本機は負けている。RX100で色収差が気になったことはないが、本機ではたまに目につく。

操作方法やAF能力や手ブレ補正の点で本機による「歩留まり」はRX100に比べて飛躍的に向上しているが、最終的な画質は、キットレンズを使っている限りは、コンデジ並と言われても仕方ない。それだけRX100が素晴らしいという見方もできるが。

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25mm単焦点

そこで、M.Zuiko 25mm F1.8を追加購入した。せっかくレンズ交換式なのだから単焦点を使いこなしたいところなので、いずれは買う予定だったが、桜の満開を目の前に量販店で奮発してまった。

17mm F1.8とどちらを買うか迷った。25mm(換算50mm、水平画角40度)は自分にとって自然な視野よりもかなり狭い気がしていて、それよりは17mm(換算34mm、水平画角55度)の方がしっくりくる。スマフォになれた妻と共用することを考えると、画角が近い17mmの方が優しいだろう。また、2歳と4歳の子供と遊ぶ際の非常に近い距離感から考えても、17mmの方が使いやすい。

しかし、敢えて25mmを選んだ。各所のレビューを読みあさって25mmの評判が良かったというのが理由の一つだ。それに対して17mmの倍率色収差と歪曲は目につくレベルで、解像度の点からも批判されている。実際使ってみると許容範囲だとは思うが、せっかくなので評判のいいものから行こうかなと。また、広角単焦点としては近いうちに出るらしいパナソニックの15mm(水平画角62度)を待つのもよいと思った。

もう一つの理由は、25mmが「標準画角」と呼ばれていて、画角感の基準を養うにもよいという話を耳にするところだ。購入前にキットレンズの焦点距離を25mmに固定して一日過ごしてみたのだが、やはり自分の自然な感覚よりも狭いと感じた。と同時に、何をメインに撮って、何をサブに入れ込みたいのかといったことを考えて撮るようなり、より写真が楽しいと感じるようにもなった。当然、子供がメイン、子供がどこで何をしているのかという状況説明がサブになることが多いわけだ。そうなると動きまわるメインとサブと自分を直線上に並べなければならないので、自分が動きまわらなければならない。自分の方が外周側になるので、必然的に子供よりも激しく動かなければならないわけで、なかなかよい運動になる。

肝心の画質だが、申し分無い。F1.8は十分に明るく、デフォーカスによる被写体の分離も十分にできる。色収差や周辺減光は、RAW撮りで未修正の状態でもほとんど感じない。開放付近で撮った場合に若干色収差が出るかなといった程度だ。歪曲は多少あるが、それはJPEGでも修正されていないっぽい。許容範囲の歪曲だという判断なのだろうが、画面端をよく見ると歪んでいるのがわかるので、できれば修正してほしいところだ。全体的に解像度は期待通りで、開放の画面端でもモアレが出る程度には解像するし、解像度を上げるために絞る必要は全くないと感じる。

25mm単焦点の最短撮影距離にはさらに美点がある。最短撮影距離が20cmくらいと比較的に短いということだ。水平画角40度で20cmまで寄れるとなると、食事の際に小皿を画面いっぱいに写すことが可能になる。実際、料理を撮る際にこれ以上寄りたいと思うことはあまりない。この点ではRX100よりかなり便利。キットレンズの望遠端の方が最大撮影倍率は高いのだが、それだと立って撮影する感じになるため、やはりこの25mmの方が使いやすい。

キットレンズとの使い分けだが、いつ何が撮りたくなるかわからないという時にはキットレンズ、「撮るぞー」という状況では25mmといった感じで使い分けている。キットレンズのズーム両端である14mmと42mmの相乗平均が24.24mmだから。キットレンズと25mmレンズの双方とも、日常使いのど真ん中なレンズだと言えるだろう。

欲を言えば、キットレンズやその他のズームレンズを使った際にステップズームがしたい。基本的に25mmの画角に慣れておきたいので、ズームレンズを使った際にもなるべく25mmに合わせて、そこから必要に応じて広くしたり狭くしたりする運用を心がけている。しかし、ステップズームがないと25mmぴったりに合わせるのがかなり難しい。14mm(換算28mm)、17.5mm(換算35mm)、25mm(換算50mm)、35mm(換算70mm)といった具合にステップズームしたい。ついでにマイセットにデフォルトの焦点距離を設定できると嬉しい。

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ボケ

マイクロフォーサーズ機はフルサイズ機よりボケ表現が苦手であるという話はよく聞く。フルサイズの同じ画角のレンズに比べて焦点距離は半分になるのだから、ボケが小さくなるのは事実だ。ただ、25mm F1.8というのは十分に背景ボケを楽しめるスペックだと思う。F1.8、F2.8、F4.0、F5.6、F8.0でそれぞれ小物をとってどれだけボケが違うかを見てみよう。このように主要被写体が近い場合、F5.6くらいまで絞ってもまだ背景と被写体の分離ができている。1mくらいの距離にある被写体でも、F2.0やF2.8で十分に主要被写体と背景を分離できることが多いと思う(もちろん背景の距離や様態による)。ボケ方も特に気になる欠点はなく、安心して使えるレンズである。
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画作りの設定

JPEGの画作りに関してだが、初期状態だとちょっと明るすぎると感じることが多い。また、シャープネスが強すぎると感じることも多い。いろいろ試した結果、以下の設定をマイセットに登録して、適宜調整するという運用で落ち着いている。

  • Natural(コントラスト=-1、シャープネス=-2、彩度=0、、階調=標準)
  • 露出補正 0EV(なし)

i-Finishだとどう効果が出るか撮影時に予測しにくいが、たまに予想外に美しくなったりもするので、たまに使うことがある。とはいえ、空が清々しい青になるのは良いが、人間の肌の色が濃くなりすぎることがあるので、使うにしても効果弱で、マイセットでなく意図的に設定する運用である。

Vividは色が濃すぎるので常用はきつい。ポートレートは明るくなりすぎる。とすると残りはNeutralとFlatだ。Flatでしばらく運用してみて、結構良かったのだが、独自の癖のようなものも感じた。暗いところで撮ると暗部の色が変になることがあり、またホワイトバランスにも違和感を感じることがあった。同じ環境でNeutralにするとだいたい見た目に近い色になるので、結局Neutralを常用することになった。

Neutralでもほんのちょっとコントラストが高い気がするので、コントラスト設定を-1にする。これはハイライト&シャドー設定でそれぞれを-2に設定した時とだいたい同じような効果があると思う。これらはシーンに応じて設定すべきものだが、だいたい-1くらいで丁度いいことが多いので、マイセットにはこれを登録しておく。

階調をオートにするとシャドーが異常なほど上げられて髪の毛が茶色になってしまうほどなので、マイセットでは標準にしておいて、晴天の屋外などのハイコントラストシーンだと分かりきっている場合にのみ階調オートかつ露出補正を-0.7くらいにするとよさげ。

露出補正に関しては、そのままだと見た目より明るすぎる画像が出来上がることが多い気がする。特に室内や夜に撮影すると、思ったより明るい画像が出てくる。かといって露出補正をマイナスに振ると、暗部が黒潰れしたり色がなくなったりしてしまう。画像エンジンに暗部の彩度をかなり下げる癖があるような気がする。ともかく、E-M10のJPEG撮りでは、暗めに撮るとシャドー部が破綻しがちだ。シーンに応じて適切な露出設定をするしかない。

本機のセンサーは画素数が1600万画素(4608x3458)である。画素数を抑えた方が高感度耐性やダイナミックレンジの点で有利であるという話は聞くが、1インチセンサーのRX100が2000万画素なので、それより低いのはちょっと寂しい気もする。しかし、現実的にはモニタの解像度はそこまで高くないので、1600万画素でも実用上は問題ない。個人的にはJPEGの撮影データを保存するとともに1600x1200に縮小したデータをネット上に置いて閲覧するとかいうことをしているので、さらに解像度は低くても問題にはならない。そして解像度が低い方が当然データサイズも小さくなるので、WifiアプリやEye-fiで転送する際に短時間で済むし、ストレージの使用量も小さくて済む。ただ、縮小して閲覧するにしても、元画像の解像度が高い方がビニング効果でノイズが減って良いし、画素ピッチが小さい方がモアレも出にくいし、将来的に高解像度で閲覧する環境が整った場合に有利にもなるとは思う。てことで、2000万画素くらいあっても良かったかなとは思うが、まあ1600万画素であることにも利点はあるので、どっちでもいいかなと。

実際のところ、日常的にはJPEGで撮影することが多い。RAW形式で撮って後でいじるのも楽しいが、基本的には面倒なので、よほど本気か暇な時しかRAW撮りはしない。そしてJPEGの画質設定もMサイズ(3200x2400)のFINEと、比較的低画質の設定にしている。なぜかというと、データサイズを小さくして転送を快適にしたいのと、後で1600x1200に縮小する際の比率が整数だとビニング(画素混合)によるボヤケが最小化できるからである。本機に限った話ではないが、ウィンドウのサイズに合わせてビューワに画像縮小させるより、きちんとした設定で縮小画像を予め作っておいてそれを等倍で見た方が美しいのである。

率直に言って、JPEG撮りの画作りに関してはRX100の方がはるかに設定しやすい。E-M10だと暗部が墨絵の如く脱色されてしまうのが、どう設定しても回避できない。これがオリンパスの味なんだろうけど、正直ソニーの味の方が好きだ。また、RX100のダイナミックレンジオプティマイザは変な癖がなくて常にオートに設定しておけるけど、E-M10の階調オートは癖が強すぎて使いにくい。RAW撮りして現像時に調整すればいいんだけども、面倒だなー。

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動画

動画の機能や画質はまあ普通というか、静止画用カメラのオマケ動画機能としては普通な感じ。ただ、初期設定だと動画撮影中はコンティニュアスAFになるのだが、その挙動があまり感心しない。画質がどうこうという以前に、撮影中にウォブリングしてしまうのが気になる。つまり、被写体が動いたり構図を変更したりしなくても、コントラストAF方式でピントを合わせるべく頻繁にピント位置を前後させてしまって画面が乱れるのだ。RX100もコントラストAFかつコンティニュアスAFだけどそこまで違和感はないので、もうちょい頑張ってほしい。設定でシングルAF+MFに変更すればウォブリングは収まるが、今度は撮影中のピントの変更を自分でやらなきゃならない。撮影中にはシャッター半押しもタッチAFも作動しないという仕様らしいのだが、不便すぎる。自分はあまり動画を撮らないからそんなに気にしないけど、本機は動画重視の人には向いていないと言えそうだ。

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Wifi

内蔵のWifi機能は便利だが、Android版のOlympus Image Shareアプリでちょっと使いにくい点がある。それは、画像を転送している際にホーム画面に戻ったり別の操作をしたりすると、転送が途中でキャンセルされてしまうことだ。バックグラウンドで転送してくれないだけならまだしも、複数画像を転送している際にどこまで成功したかを覚えていてくれないのが特に不便だ。わざわざアルバムを見てどこまで保存されているか確認して、そうでないものの選択をやりなおさないといけない。転送中に放っておいてスリープした時にも途中で転送をやめてしまうから、無駄に画面を触ってスリープを回避しなきゃならない。直してほしい。

ということで、本機のWifi機能を使ってEye-fiのノリで全部の写真を転送するのは現実的ではない。全部転送する使い方をしたいのであればEye-fiカードを買った方がいい。本機のWifi機能を使う場合、保存すべきいい写真だけを転送するとよい。再生モードでOKボタンを押すと「シェア予約」ができるので、それで予め写真を選んでおいて、それからWifiを立ち上げるといい。そうすれば転送時間も短くて済むし、電池の節約にもなる。

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まとめ

と、長々と書いたが、E-M10、大変気に入っている。子供撮り、家族撮り、ペット撮り、散歩スナップといった日常使いに最適なツールだと思う。

タッチシャッターで手軽に撮ってもEVFでじっくり撮っても使いやすいし、AF能力や手ブレ補正能力の点でも優れている。自動開閉キャップ付きのパンケーキズームは他にない手軽さを提供してくれるし、お好みの単焦点レンズをつけて本格的に取り組むこともできる。

電子水準器とWifiアプリと動画の件は、ソフトウェアの問題なので、なんとか対策してほしいところだが、それ以外には不満がないカメラである。買ってよかった。